本田技研工業(以下、ホンダ)は5月14日、2026年3月期の売上高が21兆7966億円、最終損益が4239億円の赤字(前期は8358億円の黒字)であると発表した。北米でのEV3モデルの投入および開発中止の決定に伴い、1兆5778億円のEV関連損失を計上したことが影響した。上場以来初の最終赤字となる。
2027年3月期見通しでは、EV関連損失として5000億円を計上予定だ。営業利益はEV損失を除き1兆円、損失を含めても5000億円の黒字を見込む。
三部敏宏社長は「四輪事業の課題の本質は、単なるEV市場の減速だけではない」と話す。EV戦略の見直しと今後の四輪事業について、三部社長が見通しを語った。
三部社長: 将来の損失回避のため北米での3車種投入は中止したが、EVから撤退するわけではない。地域ごとのニーズに応じ、適切なタイミングで投入できるよう準備は継続する。
ただ、2030年まではハイブリッドが主軸になると判断し、開発・生産リソースをハイブリッド車へ再分配する。当初のハイブリッド車の投入計画よりも前倒しで実行し、商品拡充につなげる。
三部社長: もともとEVが本格的に普及する2030年までは、ハイブリッド車が環境対応の主役になるとの考えのもと、開発を進めていた。2027年からは計画通りハイブリッドシステムとプラットフォームを刷新した、次世代ハイブリッド車の投入を開始する。燃費は10%向上、コストは2023年比で30%削減を目指す。2029年度までに、北米を中心にグローバルで15車種を投入予定だ。
ハイブリッド車の需要に確実に対応するため、北米での生産体制も見直す。米国オハイオの完成車工場では、余剰能力を全てICE(内燃機関)・ハイブリッド車に充て、北米全ての工場でハイブリッド車の生産を可能にする。LGエナジーソリューションとの合弁会社の電池ラインも一部ハイブリッド車向けに転用するなど、開発・生産リソースの再配分を進める。
三部社長: 2030年に220万台規模という目標を掲げていたが、250万台ぐらいまで台数を伸ばせればと考えている。
三部社長: ホンダは小型から大型まで全領域のハイブリッド技術を持っている。次世代システムでは熱効率向上や軽量化により、燃費だけでなく走りの楽しさとADAS(先進運転支援システム)を両立し、他社との差別化を図る。
ホンダは今後、3年をめどに四輪事業の体質改善に集中的に取り組む方針だ。好調な二輪事業などと合わせて、2029年3月期には過去最高の営業利益水準への回復を目指す。
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