――人とAIが融合した未来像について、考えをお聞かせいただけますか。
AIは何でも知っているようですが、基本的には過去のことしか知りません。人とAIが融合した世界では、両者がどのように役割分担するかを考えることが重要です。
未来はわれわれにしか作れません。検索・要約・定型作業など、過去の情報に基づく作業はAIが担っていくでしょう。だからこそ「人はどこに価値があるのか」を問い続け、未来を描いていきたいと考えています。
家電製品が家事労働から女性を解放し、社会進出を促したように、AIも「Speed to Innovation」のためのツールです。好奇心を持って行動し、旅をし、人と出会い、見聞を広げてインスピレーションを得ることで、イノベーションを起こしてほしいと思います。
――昨今議論されているAI脅威論について、どのようにお考えでしょうか。
電気も昔は危ないと言われていました。国会議事堂が燃えてしまうとか。今では保安規定が整備され、安全に電気を使えるようになっています。インターネットの初期にも、脅威論が多くありました。
AIについても、人類はこうした課題を乗り越えられると思います。そのために必要なのは、道徳や監視です。AIをわれわれ人類の友達にしていくことができるはずです。そのためにも、技術開発を進めていく必要があると思います。
――CIO/CISOとして、新しい技術の導入で難しい決断を迫られた際、どのように判断していますか。
私は常に「AIはただではない、お金がかかる」と言っています。会社としては、損益(PL)への効果が明確に見える案件に取り組むべきです。
変革者に必要な要素は3つあります。1つ目は、自分たちの現状を正しく認識して冷静に判断する「システム思考」。2つ目は、何のために取り組むのかを考える「パーパス思考」。最後は、どのような姿を描きたいのかを考える「アート思考」です。
そして、これを実現したいという情熱があるかどうか。変革は孤独でつらいものですが、情熱があれば、めげずにやり続けられると思います。
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