コラム
これからの人工知能との付き合い方(前編):人工知能に人間の職業は奪われるのか(3/4 ページ)
人工知能を巡る議論の前提となる考え方、そして人工知能は人間の感情や本能を再現できないという内容で、東大准教授・松尾豊先生に話を聞きました。
コンテンツを生み出そうとする人工知能
人間が得意とするもので、“独創性に満ちたコンテンツの生成”を思い浮かべる人もいるでしょう。では、人工知能はコンテンツを生み出せるのでしょうか。松尾先生は文脈・コンテキストを意識するかしないかで難易度が大きく変わると述べています。
――人工知能はどんなコンテンツを生み出せるのでしょうか?
松尾先生: 繰り返しの反復回数が増やせるものは基本的に人工知能の得意分野なので、そういった特徴を持つコンテンツであれば生み出せると思うんですよね。例えば、Webページのレイアウトの最適化をするとかキャッチコピーを作っていくとかは可能なコンテンツの代表です。
しかし、コンテンツの1つが長いものになると文脈が入ってくるので、技術的には難しくなってきます。
逆に文脈を全く意識しないコンテンツも人工知能の得意分野です。例えば詩ですが、あれってもともと意味が分からないじゃないですか。でもそれでいいんです。行間を想像力で補えれば良いので。
つまり、人工知能でもジャンルによってはコンテンツを作り出すことが可能です。
その可能性を追求するべく、進んでいるプロジェクトも存在しており、例えば星新一のショートショートを解析して人工知能に小説を執筆させる試みが挙げられます(※1)。 それ以外にも、最近発表された事例では、人工知能に描かせた絵が非常に印象的だと話題になりました(※2、3)。
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