スティーブ・ジョブズも感じた“時間の有限性”:世界トップリーダー1000人が実践する時間術(3/4 ページ)
世界トップリーダーが支配する、時間に関する3つの法則。今回は、ながら行動で時間を「伸縮」させる方法を紹介します。
人生のゴールへのシミュレーションは逆算で行う
彼らがこのように考え、タフに行動できるのは、時間という見えない対象に対しても、「ズームイン」「ズームアウト」という真逆の視点を持ち、それを自在に使い分けているからです。第1章でお話ししたように、ゴールを設定して人生を長いスパンで俯瞰(ふかん)しながら、常に「今」という瞬間に立ち返る感覚です。
彼らは、単に時間の節約を目指しているわけではありません。今すべきことに注力して、しっかりと結果を形にするために必要な時間を、「自分の時間を伸縮させて」捻出しているのです。
人生のゴールを具体的なビジョンとして思い描くことの重要性については先にお話ししましたが、今この瞬間を「ゴールから見てどんなフェーズなのか」というマクロの視点と「なんのために何をすべき時間なのか」というミクロの視点で見据えるためには、ゴールまでの道のりをシミュレーションすることも必要です。
例えば、「60歳までに自分の会社でAという商品を開発し、世界をもっと豊かにしたい」という志を持つ30歳のビジネスパーソンがいたとします。
その場合、以下のようにシミュレーションします。
- 35歳までに部内トップの実績を上げる
- 40歳までに○○のポジションにつく
- 45歳までにこんなコネクションを作る
- 50歳までに××の分野で成果を上げて、会社に商品開発を認めさせる
これはずいぶんざっくりとした道のりですが、このレベルのシミュレーションですら、普通の人は行っていません。未来のトップリーダーは、もっと具体的で詳細なシミュレーションを行っています。
例えば、志の高い30歳の未来のトップリーダーは、人生のゴールから逆算して、次のようにシミュレーションします。
大前提として、60歳までにトップ、もしくは権限を持つ形でAという商品を開発しているということは、自分自身が大きく昇進する必要がある。
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60歳までに社長になっているためには、少なくとも50代で取締役になる必要があるだろう。
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そのためには、40代のうちに執行役員に抜てきされる必要がある。
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ということは今、30代でできるのは、同期の中でトップの成績を収めることだ。逆に、それができなければその後の昇進が遅れてしまう。
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確実に昇進するためには、分かりやすく同期の中で「一番」にならなくてはならない。数字で明確に評価が表されるジャンルで成果を残すのが一番の近道だろう。
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今いる部署で、どうすれば「一番」という数字が取れるだろうか。
これが、彼らがトップに上り詰めるまでのシミュレーションです。
それに加えて、Aという商品を開発するために必要な昇進以外のシミュレーションも、同じく逆算して行います。
大前提として、Aという商品を開発するためには、開発に必要な専門知識やスキルも身につける必要がある。
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商品開発においてトップの権限を取るためには、その分野を任されるための関連した成果を上げておかなければいけない。
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関係部署にもスムーズに連携してもらうためには、どこの部の誰と知り合い、信頼関係を構築しておけばいいのだろうか。
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商品開発をしていく上で、関係するステークホルダーは○○さんか××さんになるだろう。彼らとのコネクションを持つためには、いつどのようにコンタクトするべきだろうか。
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商品開発のスペシャリストとして、今取っておくべき資格はないか情報収集しよう。
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若いうちに商品開発の知識だけでなく、マーケティングやプロモーションなどもあわせて勉強しておこう。
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