何もしない時間を作ることが、未来への「投資」:世界トップリーダー1000人が実践する時間術(5/5 ページ)
世界トップリーダーが支配する、時間に関する3つの法則。今回は、自分への投資について考えてみましょう。
忙しい人がバッファの時間をとるためのシンプルな方法
といっても、忙しいときにバッファの時間を取るのは勇気のいることです。普段から慌ただしく活動し、常に時間に追われている感覚のある方は「現実的に考えて難しいな」「その時間に少しでも仕事を進めるほうが先決だ」と感じるかもしれません。私自身もなかなかバッファを取れずにいるので、その気持ちはとてもよく分かります。
しかし、一度考えてみてください。みなさんはアップルのトップより、グーグルのトップより忙しいでしょうか。彼らにできることは、みなさんにも必ずできます。もし本当に切羽詰まった状況で働いているなら、一時的に仕事をセーブしてでも、バッファの時間を作れる環境を整えましょう。その働き方には、人生という長いスパンで時間を俯瞰する「マクロ」の視点が欠けています。
継続的にバッファの時間をとるための方法は、いたってシンプル。初めから1日のスケジュールにバッファを組み込んでしまうのです。そして、最初は大変かもしれませんが、30分でも1時間でも毎日必ず実行すること。その時間を使って実務的な作業をしてしまっては、元も子もありません。
その生活を続けるうちに、「何も仕事をしない時間」ありきのスケジュールが組めるようになり、自然とイノベーティブなアイデアが生まれてくるようになります。いったんは下がったかのように思えた作業効率もすぐに元通りになり、そのうち今まで以上のパフォーマンスを発揮できている自分に気付くでしょう。
忙しい人こそ、時間の使い方にはメリハリが必要です。そのほうが結果的には効率がアップし、「バッファの時間を取ったのに、いつも通りの時間に仕事を終えられた」という喜ばしい想定外も起こるかもしれません。「これは投資なのだ」と割り切って、休むこと、何もしないことへの罪悪感さえ取り払うことができれば、きっと新しいフェーズを迎えることができます。
今はリラックスタイム、今は集中して仕事に取り組む時間……とモードを切り替えて、未来のために時間を「投資」していきましょう。
(終わり)
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