甲子園を制した東海大相模と準Vの仙台育英――指揮官の指導法に迫る:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
夏の甲子園が終わった。ご存じのとおり、優勝は東海大相模、準優勝は仙台育英。メディアはさまざまな切り口で両校を取り上げているが、本コラムの筆者・臼北氏は両監督の指導法に注目した。
強いメンタルを徹底させるために
佐々木監督の力強い言葉がバスの中に響き渡ると、どこからともなく「ヨッシャーッ!」という威勢のいい声が出て、それにつられるように全員の表情が見る見るうちにヤル気に満ち溢れていったという。
また、選手たちに強いメンタルを徹底させるために、指揮官はちょっとユニークな試みを行っている。チーム関係者が打ち明けてくれた。
「いつもウチのチームは大事な試合に臨む前、バスの中でメンタルを高めるための音楽を流している。この音楽をバックに皆が“おまじないのような歌詞”を口にして士気を高めていくのですが、これも監督の発案によるものです。
監督はチームに比較的自由な風潮を入れ込みながら、巧い形で選手たちをヤル気にさせていく。それに自由だからと言って選手たちの人間形成も怠っているわけではない。4年前に野球部員が不祥事を起こしたことがあったが、この反省も踏まえた上で近年の監督は選手たちに立派な大人になるための強いメンタルを徹底させているようです」
過去の不祥事など苦難を乗り越えながら佐々木監督は現行の指導法を見い出し、今大会で目標の全国制覇はならなかったにせよ準Vという形で結実させた。
今大会予選に参加した全国3906校の頂点の座を争った両軍の指揮官。たとえるならばVの東海大相模・門馬監督が「剛」ならば、準Vの仙台育英・佐々木監督は「柔」といったところか。いずれにしてもビジネスパーソンをまとめあげるリーダーの方々にとっても、2人の監督の指導法は参考になるところがあるかもしれない。
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