部下に課すべき「8つの訓練」とは:「仕事ができるやつ」になる最短の道(2/3 ページ)
今回紹介するのは、私がコンサルティング会社に在籍中、部下に教えてきた「8つの訓練」。ごくシンプルで当たり前のことだが、じっくり取り組んでほしい。
3.ディスカッション
ディスカッションは非常に重要なスキルの1つだ。特に、顧客とディスカッションするシーンが多かったコンサルタントの仕事においては。
だが、勘違いしている人も多かったのだが、「ディベート」と異なり、「ディスカッション」の目的は相手を論破することではない。相手を打ち負かしてしまっては、まとまるものもまとまらない。
「相手のプライドを傷つけずにうまく本音を引き出し、自分の言っていることを相手に理解してもらったうえで、ディスカッションの前に出ていた案よりも良い案で合意する」という結果を得るための活動が「ディスカッション」である。
訓練法は極めて地味で、社内で繰り返し行われるディスカッションを通じて部下を訓練するが、ディスカッションの目的を知っていれば、比較的、短期間で技術を身につけることが可能だ。
4.会議の仕切り
いわゆる「ファシリテーション」という技術である。顧客先で会議の進行役を務めるケースが多いため、新卒にも「会議の仕切り」をやらせる。ファシリテーションの目的はさまざまあるが、私は「会議を盛り上げ、全員の意見を引き出す」というゴールを設定していた。
訓練を繰り返すと、新人であっても「議論が停滞しているが、この人に聞けば打開できる」、あるいは「最初からこの人に聞くと結論が出てしまうので、この人には最後に意見を求めよう」といった議長のスキルが身につく。
これは、議長でなく会議のメンバーになったときにも「会議へのうまい参加の仕方」が身につくことになるので、非常に有意義な訓練である。
5.人前で話すこと
若手にも、積極的にセミナーの講師をやってもらった。もちろん最初は誰でも声が震え、講義どころかあいさつすら満足にできない。
しかし、人間の能力はすごいものである。訓練を繰り返すうちに、ほとんど誰であっても、大体半年程度で立派に話せるようになる。
訓練法は至ってシンプル。セミナーの内容を覚え、リハーサルを繰り返すだけ。実際、誰でも講師になるのは可能である。
また、人前で話すことに慣れると自信がつくので、大抵のプレゼンテーションは楽にこなせるようになる。
関連記事
- なぜ「頭が良い凡人」になってしまうのか?
世の中には「頭の良い凡人」が少なくない。今回は彼らが成果をあげられない「5つの原因」を紹介する。 - 何もしない時間を作ることが、未来への「投資」
世界トップリーダーが支配する、時間に関する3つの法則。今回は、自分への投資について考えてみましょう。 - 「自分は成長していないなあ」と感じたときにやるべきこと
「仕事はやりがいがあるし、楽しい。でも、自分の成長を感じることができない」。こんな悩みを抱えている人は、どうすればいいのでしょうか? 筆者のサカタがオススメする方法は……。 - 「出世」するのは誰? “試す”ことができる人
出世する人というのは、何にでも興味を持って知ろう、試そうとします。富士山の裾が広いのと同じように、志を高くすると人としての裾が広がり、何に対しても対応できる人になれるのです。 - 出世に必要なのは、当たり前の「誠実さ」と「道徳心」
30代半ばで不動産会社の専務にまで出世したAさん。彼の言う、出世する人に共通する「当たり前の誠実さ」とはどういうことなのか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.