「出世」するのは誰? “試す”ことができる人:銀座で学んだこと(1/3 ページ)
出世する人というのは、何にでも興味を持って知ろう、試そうとします。富士山の裾が広いのと同じように、志を高くすると人としての裾が広がり、何に対しても対応できる人になれるのです。
人生は見たり、聞いたり、試したり、3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりだけで一番重要な“試したり”をほとんどしない。(本田宗一郎)
7月の3週目に入り、関東ではお中元の受け渡しがそろそろ落ち着くころでしょう。関東では7月15日を過ぎると、のし書きが“暑中見舞い”になりますが、関西ではこれからが“お中元”の時期ですので、関東と関西では1カ月の違いがあります。
私の場合、お中元の内容は毎年変えているので、5月半ばから中元候補の飲み物やスイーツ、食品を試し買いして、関東のお客さまへお中元を送った今ごろは、関西のお客さまへの最終候補リストを吟味しています。
さて、今回は本田技研工業の創業者・本田宗一郎さんの言葉を用いました。読者の中にも、毎日“見たり、聞いたり”はしていても、“試す”はほとんどしていない――という人は少なくないかと思います。「あの本いいよ」「このお店いいよ」などと聞いてそれを試す人も多いと思いますが、それは、個人的に興味があることだからではないでしょうか。興味のないことを試す人は少ないはずです。
しかし、性別を問わず一般的に言う“できる人”――いわゆる出世を手にする人は、何でも知っていると思われることが多いです。「○○さんってさすがに何でも知っているよね」と言われることも、出世族にはお決まりのワードです。
では、どうしてそう思われるのか? 以前、私が経験したエピソードをご紹介したいと思います。
志が高いと裾が広がる
元大手商社出身のAさんが数名の元部下を連れてお店に遊びに来てくれたときのことです。Aさんがお連れになったのは30代半ばから40代前半の男性4人。それぞれ女の子と楽しそうに会話をしていましたが、その中に携帯電話を片手に女の子の話に耳を傾けている人がいました。
早々と電話番号を交換しているのかと思いきや、どうやらそうではありません。彼女の言葉を忘れないよう携帯電話に打ち込んでいたのです。しばらくして、彼女が別の女の子と交代しましたが、彼は同じように携帯電話に言葉を打ち込んでいました。
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