失敗しない人を信用してはいけない:「仕事ができるやつ」になる最短の道(1/2 ページ)
常に目標達成している人を、信用していいものだろうか? 無難な目標を掲げて達成してもイノベーションは起きない。むしろ、その働き方を疑うべきだ。
集中連載:「仕事ができるやつ」になる最短の道 について
この連載は安達裕哉著、書籍『「仕事ができるやつ」になる最短の道』(日本実業出版社)から抜粋、再編集したものです。
「一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない。仕事で何かを成し遂げようとするならば、それなりの時間をかけて物事に取り組む必要がある。小手先のテクニックでは、仕事ができる人にはなれない」
毎日2万人以上が訪れ、月間150万PVを誇る「仕事の本質」を突いた人気ブログ「Books&Apps」の著者が初めて明かす、“仕事ができるやつになる法則”。
悩めるビジネスパーソンの心にじわじわと響き、「明日を踏み出す一歩」がチャージされる1冊です。
さまざまな会社で、「目標必達」という言葉が使われている。従業員に発破をかけるために用いられていると思うが、私は常に1つの疑問があった。
「常に目標達成している人物を、信用していいのだろうか?」
確かに、経営者からすれば毎度のように目標を達成してくれる人物はありがたい存在である。給料を上げたり、ボーナスを気前よく振る舞ったりもしたくなるだろう。
だが、一方でこのような話もある。常に目標を達成できる、ということは、目標が低く設定されていた、ということではないか?
ある会社の人事評価制度について、議論があった。そのなかで、「目標の難易度」に話が及んだ。この会社の経営者は「社員が必ず目標達成してくれないと困る」という方針であった。そのため、目標の達成度合いに応じてボーナスの額や、次の年の昇給の度合いを決定していた。
しかし、低すぎる目標では会社の利益が出ず、高すぎる目標では社員のやる気を損なう。そこで、毎年のように各部門長は経営者と「ギリギリ達成できそうな目標」を折衝することに心を砕いていた。
そして、部門長と社員の努力で、この会社はほとんどの人が毎年、目標を達成していた。経営者は自分の正しさを確信していた。
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