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クレームが発生する原因は? サービスの“すれ違い”:ご一緒に“おでん”いかがですか 2(4/5 ページ)
クレーム――受ける側も言う側も気分がいいものではないが、これはコンビニ業界に限った話ではない。今回は、クレームが発生する原因である、サービスの“すれ違い”について考えてみたい。
クレームの受け止め方
クレームというものは、時にはストレスの要因となり、身体に悪い影響が出ることもある。クレームでダメージを受けないようにするには、どうすればいいのか。
先に述べたように、お客の要望とサービスの提供は必ずしも一致しないことがある。なぜ一致しないかというと、双方が思っていることの次元が違いすれ違っているから。たったこれだけのことを認識するだけで、消費者は不満に対して寛容になり、サービスを提供する側は、より深くサービスというものを捉えられるようになる。
筆者はサービスを提供する側と受ける側の両方の立場だが、この考え方をするようになってから、お客の立場のときに感じる不満の許容範囲が広がり、イライラが減った。「まったく! しょーがねえなあ」という具合に。
クレーマーからいろいろと話を聞くと、彼らは自分を基準に満足のレベルを設定するので、提供側に対して厳しい判定を下す傾向が強いようだ。ある意味“面倒くさい客”とも言えるが、筆者の場合、提供側の立場のときには、この考え方がサービスのアイデアに自由を与え、臨機応変な対応ができるようになった。また、お客の立場のときには、普段のサービスの不満点が見えるようになったことで、クレームによるストレスを軽減できているように思う。
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