デジタルとアナログを高次元で融合! カシオの腕時計が目指すモノづくり(6/7 ページ)
カシオの腕時計が躍進している。売り上げが伸びているが、開発現場ではどのようなこだわりがあるのか。デジタルドライブやアナログムーブメントの企画を担当している小島直氏と、プログラムの仕様設計を担当している長谷川幸佑氏に話を聞いた。
――以前に比べると開発にかかる時間は短縮されたのでしょうか?
長谷川氏: 開発期間は従来と同等か少し伸びたくらいでしょうか。時間がかかっていた部分を短縮することで新技術の開発に充てられています。新技術、新機能を開発すると、チェックしなければならない部分、評価しなければならないことは大きく増加します。“動く仕様書”をつくる際には、そういった増える時間と手間にも配慮しています。
――ちなみに、デュアルコイルモーターによる針の動きのイメージを考える上で、インスパイアを受けたものはあるのでしょうか。
長谷川氏: 最初にイメージしたのは、扇風機が止まるときの羽根の動きです。扇風機の羽根だけでなく、自動車のメーター、電流計など針の動きがあるものを観察して、“心地のいい針の動き”とはどんな動きかを考えました。回転した針が減速するときの動きひとつとってみてもユーザーに与える印象は千差万別で、どのような動きをすればユーザーはどう感じてくれるのかを、世の中のいろいろなものを参考にして追求していきました。
今回の新製品ではデュアルコイルモーターによって新しい針の表現を生み出すことができましたので、今後ユーザーからのフィードバックを元にまたいろいろな表現を模索していきたいと思います。“心地よさ”というのは人によって受け止め方も異なるので、製品のターゲットユーザーに応じた“心地よさ”を研究して針の動きで表現できたら面白いですね。
関連記事
- この機能って必要? そう感じても「G-SHOCK」が欲しくなる理由
カシオ計算機のG-SHOCKが売れている。パンフレットをみると、さまざまな機能が搭載されているが、スーツを着ているサラリーマンには「これ必要なの?」と思えるようなものばかり。それでも、売れている理由を探っていくと……。 - カシオが秋冬の新製品を発表、注目の時計は?
カシオ計算機は9月初旬、2015年秋冬モデルの新作ウォッチを展示する「2015年Autumn/Winter CASIO時計新製品発表会」を都内で開催した。 - カシオの「イスラム教徒向け腕時計」、ヒットの背景に意外な事情
2012年に発売し、2年で4万台以上売れるヒットとなった、カシオのイスラム教徒向け腕時計。他社が追従できない高機能はある製品を応用したからだという。そして、開発のきっかけになった意外な事情とは……。(本文の一部を訂正しています) - “自然の情報”を計測! PRO TREK「PRW-3500」の実力を試してみた
カシオから新たなPRO TREKシリーズ「PRW-3500」が発売された。新製品は「水回りのアウトドアシーンでも安心して使うことができる仕様」というが、実力のほどはいかに? 福島県の桧原湖に行って、試してみたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.