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デジタルとアナログを高次元で融合! カシオの腕時計が目指すモノづくり(6/7 ページ)

カシオの腕時計が躍進している。売り上げが伸びているが、開発現場ではどのようなこだわりがあるのか。デジタルドライブやアナログムーブメントの企画を担当している小島直氏と、プログラムの仕様設計を担当している長谷川幸佑氏に話を聞いた。

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“動く仕様書”を製品開発に取り入れた長谷川氏

――以前に比べると開発にかかる時間は短縮されたのでしょうか?

長谷川氏: 開発期間は従来と同等か少し伸びたくらいでしょうか。時間がかかっていた部分を短縮することで新技術の開発に充てられています。新技術、新機能を開発すると、チェックしなければならない部分、評価しなければならないことは大きく増加します。“動く仕様書”をつくる際には、そういった増える時間と手間にも配慮しています。

――ちなみに、デュアルコイルモーターによる針の動きのイメージを考える上で、インスパイアを受けたものはあるのでしょうか。

長谷川氏: 最初にイメージしたのは、扇風機が止まるときの羽根の動きです。扇風機の羽根だけでなく、自動車のメーター、電流計など針の動きがあるものを観察して、“心地のいい針の動き”とはどんな動きかを考えました。回転した針が減速するときの動きひとつとってみてもユーザーに与える印象は千差万別で、どのような動きをすればユーザーはどう感じてくれるのかを、世の中のいろいろなものを参考にして追求していきました。

 今回の新製品ではデュアルコイルモーターによって新しい針の表現を生み出すことができましたので、今後ユーザーからのフィードバックを元にまたいろいろな表現を模索していきたいと思います。“心地よさ”というのは人によって受け止め方も異なるので、製品のターゲットユーザーに応じた“心地よさ”を研究して針の動きで表現できたら面白いですね。

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