「ごぼうサラダ」を生み出したケンコーマヨネーズ、海外でもヒット商品の開発を:イスラム教徒も食べる(1/4 ページ)
業務用のドレッシング類やサラダ類を製造するケンコーマヨネーズが海外市場の開拓を加速させている。イスラム教徒向けにハラル認証のマヨネーズを販売したりと、現地ニーズに合わせた商品開発を進めているのだ。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットの惣菜コーナー、あるいは居酒屋のお通しメニューなどでよく目にする「ごぼうサラダ」。今では広く浸透したこの食品を初めて世に送り出したのが、業務用のマヨネーズやドレッシングなどを製造、販売するケンコーマヨネーズだ。
同社は1958年に創業。食用油脂の販売から事業をスタートし、その後、マヨネーズ・ドレッシング類、サラダ類と商品を拡大していった。そうした中でごぼうサラダを1986年に発売。それまでごぼうを使った総菜といえば「きんぴらごぼう」が唯一と言っていいほどの定番だったが、そこに新たなメニュー提案を行ったわけである。
ただし最初からこのロングセラー商品がすぐに生まれたわけではない。実は当時、ケンコーマヨネーズはサラダうどんやサラダそば用のドレッシングを開発したものの、顧客にはあまり響かなかったという(今思えば時代が早すぎたのかもしれない)。
「もうこのドレッシングを諦めるしかないのか……」。その最後のあがきとして、メニュー開発担当者がさまざまな食材と組み合わせて試したところ、ごぼうとの相性が良かったという、まさに偶然の産物ともいえるのである。
このようにケンコーマヨネーズは古くから我々の日常生活に馴染み深い食品をいくつも提供しているものの、実際には直接店頭などで購入する機会はほとんどなく、同社のことを詳しく知らない人も多いだろう。日本では業務用メーカーだが、実はインドネシアでは家庭用の商品が売れているというのだ。
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