コラム
どう扱うか? 退職者が集めた「名刺」:仕事上の名刺は誰のもの?(5/5 ページ)
社員が在職中に受け取った「名刺」について退職時に返却を求める会社は多いが、現実には、その処理方法に悩むもの。個人情報の扱い方も含め、名刺管理の在り方をあらためて考えてみた。
アクセス制限も忘れずに
名刺に限らず、情報管理全般にいえることですが、自社サーバなどでデータを管理している場合、退職者がその情報にアクセスできないよう、パスワード変更などの措置をとる必要があります。
近年、システム上に退職者のアカウントが残っていたために不正アクセスを受けるという事件が少なからず発生しています。情報を悪用されることはないとしても、退職者がアクセスできる状態を放置しておくこと自体が問題です。
また、退職者から返却された名刺やそこから得られる情報を、他部署あるいはグループ会社などでも利用しないほうがよいでしょう。顧客情報管理の甘さが指摘されることを避けるためです。
かつて名刺といえば、紙やプラスチック製くらいしかありませんでしたが、加工技術の進化に伴い、さまざまな素材や形状のものが登場し、盛り込まれる情報も多様化しています。
社員個人がスマートフォンのアプリで管理しているような場合など、シュレッダーにかけるだけでは済まないケースも増えています。名刺上の情報に関連する法律(個人情報保護法、不正競争防止法など)も変容していくため、企業には時代に応じた情報管理が求められるようになりました。
名刺交換は日常業務に欠かせない商習慣の1つだけに、とかく安易に扱いがちです。名刺の保管・処分も、現状は社員個々の判断に委ねている会社が多いと思われますが、時機をみて、自社・自部門なりの適正な方法を再検討してみてはいかがでしょうか。(編集部)
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