コンビニの年賀状印刷は、あの手この手の作戦:新連載・コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
そろそろ年賀状について考える時期だ。10月29日にはお年玉付き官製年賀はがきが発売されるが、既にコンビニ各社は年賀状印刷の受付を開始している。新連載の一本目は、コンビニの年賀状印刷の現状を調査する。
コンビニの年賀状印刷――何ができるの?
では、コンビニの年賀状印刷とはどういうものか。既に利用したことがある人もいるかと思うが、コンビニ各社の年賀状パンフレットを見ると、以前は柄の違いや早期受付の割引がメインだったが、近年は印刷の便利さやユニークなサービスを前面に押し出している。
ここで、筆者が気になったサービスをいくつか挙げてみる。
プリント代行
印刷技術は年々上がってきてはいるものの、それを安価な家庭用プリンタに搭載するには時間と企業努力が必要になる。プリント代行は、自分のPCでデザインした年賀状をプロ仕様で印刷してくれるというものだ。
「キレイな年賀状を送りたいが、ありきたりのデザインフォーマットでは嫌だ」
「自分でオリジナリティあふれた年賀状を、キレイに印刷したい」
そんな人たちに向けたサービスだ。
動画で年賀状
ARを活用したサービスで、スマホなどに専用アプリをインストールしてQRコードを読み込むと動く画像が見られるというもの。PC同様、スマホも一般的となったイマドキのサービスとも言えよう。
宛名印刷
数年前までは絵柄と差出人の印刷だけだったが、近年は宛名まで印刷してくれる。50枚程度なら5000円もかからない。通常の印刷に比べると少々割高かもしれないが、筆者のようなめんどくさがり屋にはありがたいサービスだ。
もちろん、発行元である郵便局も、ただ年賀状を売っているだけではない。通常の印刷はもちろん、作成ソフトの取り扱いやDMの作成、地域を限定した配達――と、個人事業者も利用しやすい内容となっている。年賀状の印刷を頼みたいと考えている人は、いろいろと検討してみてはどうだろうか。
11月4日には、日本郵政グループ3社の上場が控えている。2016年は、年賀はがきの発売元である郵便事業の環境が大きく変わると予想している。年賀状の用途や取り巻く環境が変化してきた今、サービスを見直してみるのも面白いだろう。
調査ナンバー10106102、報告完了します。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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