あらゆる電子機器のプリント基板保護膜で躍進、太陽HD社長の「理・響・躍」(2/6 ページ)
「アイディール・リーダー」という新しい考え方を提唱する永井恒男氏が、電子機器のプリント基板の保護膜で成長している太陽ホールディングスの佐藤英志社長に話を聞いた。「非常識」に見えて極めて合理的な経営判断とは……。
佐藤: 基板の色を決めるのは、まさにSRなんですが、これは光で固めるものなんです。黒は光を吸収してしまうので、厄介なんですよね。当社では改良を重ねて、昔に比べてもさらに黒く見えるようになっているんですよ。
永井: 従業員1000名余(連結)の日本企業が、それだけの世界シェアを確保しているわけですね。それは高い技術力に支えられたものだと思いますが、一方でグローバル企業との折衝・交渉は御社に限らず条件面で大変な局面もあると聞きます。
佐藤: まず言えることは「仕様策定や変更の初期の段階にいかに食い込めるか」、これに尽きます。他社に先行されてしまうとなかなかひっくり返せない。
永井: 最新機種がどういう仕様になる、つまりどういう特性が求められるか、かなり早い段階からメーカーの意向を把握しておかないといけない、というわけですね。
佐藤: そうですね。しかしメーカーが全て決めているわけではなくて、当社の直接のユーザーである基板メーカーが決めている部分もあります。ですから、どこの誰が意思決定権者なのかを把握して、しかも彼らが「口には出さない」ニーズを読み取っておく必要があるわけですね。
永井: 先読みに先読みを重ねる必要がある。
佐藤: 基板メーカーが「こういうものが欲しい」と言ったときから動いていては大体遅い。そう言われたときには「これですよね」ってサンプルを出せるくらいじゃないといけない。もちろん最終的なデザインについては明かされていませんが、いま私たちは次、ではなくさらにその次くらいの機種にどういう機能が加わり、どのような特性が求められるか、について検討をしていますから。言い換えれば受け身、請負体質では、あっという間において行かれる、ということです。
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