コネクテッドカーの明るい未来(1/6 ページ)
昨今、コネクテッドカー、自動運転車が騒がれている。これらの技術によって自動車メーカー、サプライヤーのビジネスモデルは大きく変わる可能性が高い。単に技術があるから開発するのではなく、顧客に対して持続的に価値を提供して、自社を選択してもらうためには何をどこまで提供するのか。そのためには、どのようなケイパビリティ、ビジネスモデルが必要なのだろうか。
現時点では車に運転をすべて任せるなど不可能と思うかもしれないが、今後10年以内には実現しているかもしれない。未来の車はあらゆる点で、現代のドライバーが慣れ親しんでいるものと全く異なるだろう。自動車メーカーが今、デジタル接続によって車をより便利にするため、さまざまな新しいテクノロジーを開発している最中だからだ。
ナビゲーション・システムによって、ドライバーは最速ルートだけでなく、最も燃費のよいルートも選べるようになるだろう。また、車輌管理システムによって、車のパフォーマンスに関する詳細な情報が提供され、データが自動的に保険会社と車輌所有者(社有車の場合など)へ送られるようになる。さらに、テクノロジーによって事故が減り、ドライバーの生体機能を監視するシステムが危険をドライバーに警告する。加えて、交通渋滞時と高速道路では運転支援と安全システムに運転を任せることができるようになり、人が運転するよりもはるかに安全になるだろう。
こうした未来の車が、自動車メーカーと顧客との間に密接な関係を築くことによって、ブランド・ロイヤルティも利益も高まることになる。しかし、そこに行き着くためには、メーカーは現在よりもさらにユーザーフレンドリーなインタフェースを開発し、自動車向け製品の開発にしのぎを削っている電機メーカーのペースに合わせて、製品開発サイクルをスピードアップしなければならない。そして、その実現は、自動車メーカーのIT関連部分と顧客対応とをより緊密に調和できるかどうかにかかっている。
最初に真の自動運転車を実用化できるメーカーが、市場でかなりの競争優位性を持つことになるだろう。
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