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なぜ「ココイチ」の味は“普通”なのに、トップを独走しているのか水曜インタビュー劇場(カレー公演)(5/7 ページ)

「カレーハウスCoCo壱番屋」(ココイチ)を運営している壱番屋の業績が好調である。市場をみると、ココイチの店舗数は1000店を超えているのに、2位のゴーゴーカレーは80店ほど。なぜココイチはここまで「独走」しているのか。同社の取締役に聞いたところ……。

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ひとり暮らしの人が増えればフォローの風!?

土肥: また、マイカレーをもっている常連客は、ココイチに行って食べるしか方法はないんですよね。他の競合店では売っていないし、家でつくることは難しい。この点も大きい。それにしてもトッピング、ルーの辛さ、ライスの量を組み合わせると、種類は天文学的な数字になりますね。

宮崎: スクラッチ(売場で素材から手作り調理を行って、商品を提供する仕組みのこと)の部分を削ってしまうと、ココイチの価値が失われてしまう。例えば、セントラルキッチンでほぼ加工されていて、店で電子レンジで温めて提供する。それだと、コンビニのお弁当に近くなる。いや、コンビニのお弁当はかなりおいしくなってきているので、味が変わらなくなってしまうのではないでしょうか。

 コンビニでは買えなくて、家でつくるのには難しいモノ。ココイチでいえば、夏野菜カレーとかスープカレーとか。手間はかかりますが、スクラッチの部分をしっかり残さなければ、外食産業の中で生き残っていくのは難しい。現場からは「簡単なメニューにしてほしい」といった声もありますが、簡単なモノであれば、お客さんはわざわざお店まで足を運んでくれませんよね。なので、本部としてはメニューの内容を簡素化することは考えていません。ひょっとしたら、もっと難しくなるかもしれません。


土肥: 日本は高齢化社会になるので、外食産業の未来は厳しいといった声がありますよね。

宮崎: ひょっとしたらココイチにとってはフォローの風となるかもしれません。

土肥: どういう意味でしょうか?

宮崎: 家でカレーをつくる場合、一人前をつくるって難しいですよね。一度つくると、今日はカレー、明日もカレー、明後日もカレーといった経験をされた人もいるはず。ひとり暮らしの人が増えれば、カレーは家で食べるのではなく、外で食べるもの、という流れになっていくかもしれません。

 カレー市場全体をみると、約半分は家で食べているんですよ。大きなシェアを占めているのですが、そこにチャンスがあるのかもしれません。なので、テイクアウトも始めましたし、宅配も始めましたし、ドライブスルーも始めました。

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