なぜ「ココイチ」の味は“普通”なのに、トップを独走しているのか:水曜インタビュー劇場(カレー公演)(6/7 ページ)
「カレーハウスCoCo壱番屋」(ココイチ)を運営している壱番屋の業績が好調である。市場をみると、ココイチの店舗数は1000店を超えているのに、2位のゴーゴーカレーは80店ほど。なぜココイチはここまで「独走」しているのか。同社の取締役に聞いたところ……。
「ココイチのカレーは高い」という声
土肥: なるほど。価格について聞かせてください。ココイチはこれまで値下げをしたことがないんですよね。牛丼チェーンはしょっちゅう値下げ競争を繰り広げているのに、なぜ値下げをしないのでしょうか。業界トップ……しかも独走しているからでしょうか。
宮崎: 「ワンコイン」が流行ったときに、既存店の売り上げが苦戦しました。それでも、値下げをしませんでした。なぜ値下げをしないのか。当たり前の話になりますが、値下げをすると利益が減少する。そうなると、分配の原資が減ってしまう。従業員の給料が減るかもしれませんし、取引業者に値下げをお願いするかもしれません。
値下げをしたらお客さんは喜ばれるかもしれませんが、従業員、オーナーさん、取引業者さん、会社は喜べないんですよね。みんなが喜ぶためには、値下げは必ずしもいいことではありません。
ただ、値下げをしたら、お客さんの数は増えるでしょう。でも現場はどうでしょうか? 急にたくさんのお客さんが詰めかけるので、対応するのが難しいんです。
土肥: でも、ワタシの周囲からは「ココイチのカレーは高いなあ」といった嘆き声をよく聞くのですが。
宮崎: お客さんからもそうした声はたくさんいただいています。「自分の小遣いでは、月に2回しか行くことができない。もっと安くすることはできないのか」など。
サラリーマンのランチ事情調査をみると、1日当たり「500円以下」が上位にきていることは知っています。でも、すいません、値下げは難しいんです。
土肥: なるほど。でも、牛丼チェーンが値下げをしたら、客数に影響が出るのではないでしょうか。
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