再び自宅で起業、2回目の挑戦だからこそのこだわりとは?:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(5/6 ページ)
2度目の起業を決めた私は、同じ思いを共有できる創業メンバーの募集を始めた。そこで思ってもみなかったことが次々と起きたのだ。
優秀な人が集まり続ける連鎖を
「できることをやるではなく、理想を追求する」
今回の起業では、メインとなるベビーシッターキッズラインのサービスを始めるにあたって、できることをやるというよりも、「理想のスタイルを追求したい」という思いが強かった。安全・安心を最優先したかったし、社会のインフラを目指していたからだ。そう考えると、やることはたくさんあり、まだまだ人が足りなかった。
特に、組織面では「最強エンジニア軍団」を創りたいという思いが強かった。なぜなら現代のネットサービスにおいては技術力の高さが明暗を分けるといっても過言ではないからだ。例えば、Facebookのように、打ち合わせをしながら、コードを書いてサービスを完成させる、あるいはバグを修正するというようなスピード感が欲しかった。また、日本になじみのないベビーシッターという文化を広めるためにも、お客さまの要望にすぐに対応できる会社でありたかったからだ。
だから、優秀なエンジニア、デザイナーを採用しやすい空気を作ることを念頭においてWebサイトを作り、メンバー募集のプレスリリースの配信した。
あらゆる努力が少しずつ実を結んで、経験豊富で優秀なエンジニアが徐々に集まり始めた。現在のカラーズは男性エンジニア4人と女性エンジニア2人の開発体制になった。
エンジニアばかりでなく、個性豊かな猛者のジョインは続いた。東大→アクセンチュアという経歴を持つ私の秘書は何でもこなすスーパーウーマンだ。ほかにも、アイデアの固まりのようなワークスアプリケーションズ出身のワーキングマザー、元リクルートの営業女性など。
組織作りで大切なのは、常に優秀な人が集まり続ける連鎖を作らないといけない。だからこそ、さまざまな工夫をし続けなければならない。そうした中で、やはりインターン制度はスタートアップにとっても参加者にとっても幸せをもたらすことが多い。私たちは、大学生インターンばかりではなく、社会人インターン、育児休業中の女性を受け入れる育休インターンなど間口を広げている。
例えば、育休インターン。「子連れですが、育休中にお手伝いしたいのです……」。そんな1通のメールがきっかけで立ち上がった(関連リンク)。
社会人インターンもユニークだ。フランス留学から一時帰国中の女性が、マーケや秘書の仕組みについて大きな貢献をしてくれた。そして、大学生インターン。起業したいので、修行したくてと、応募してきてくれた起業家志望の東大男子が、「キュレーションを作りたいです」と、たった2カ月で育児キュレーションを立ち上げた。
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