理想のベビーシッターサービスって何だろう?:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(1/8 ページ)
「ベビーシッター文化を日本にも広めたい」――。やりたいことは明確に決まっているのだけど、そのイメージを具体的なサービスに落とし込むのは並大抵ではない。私たちのサービスはどのようにして生まれたのだろうか。
「料金が高い」日本のベビーシッター事情
「誰もが、驚くほど簡単、気軽に、安心して、利用できるベビーシッターを日本中に広めたい」
やりたいことや概念ははっきりしているが、そのイメージを、サービスに落とし込むには、どうしたらいいのだろう?
「誰でも使える」
「驚くほど簡単に使える」
「気軽に使える」
「安心して使える」
それらをすべて満たすベビーシッターサービスでなければならない。そこで頭の中で要素を因数分解していく。同時に、現状を重ね合わせてみる。
現在の日本の育児は、母親がメインで、頭が下がるほどしっかり担っている。そして、ワーキングマザーにとっては保育園が、育児と仕事の両立のキーになっている。だから「ベビーシッター」の利用シーンがあまり思い浮かばないのではないか。
一方で、共働き家庭は年々増加している。待機児童問題は一向に解決しない。タイミングよく保育園に入れたとしても、子どもが熱を出したら保育園に預けられなかったり、急な残業で保育園に迎えにいけなかったりと、育児と仕事の両立で板挟みになる。そんな経験を持つご家庭は多いだろう。
では、そんなときのために、「ベビーシッター」を準備しておこうかと調べてみる。そこでいろいろな問題にぶつかる。基本的に手続きは、紙ベースだから、煩雑で、手間がかかる。入会金も高い、月会費もかかる。利用時の料金もほとんどが1時間2500円以上だ。これでは多くの人は躊躇(ちゅうちょ)してしまうのではないか。
「そんなに手間もお金もかかるのなら、今はまだいいか」。そう思っているうちに、不測の事態が起きて、はたと困る。
私たちは、そんなときに、すぐに役立つ頼れる存在でありたいと思った。
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