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その後の人生を変えた沖縄戦:大田昌秀の「日本を背負って立つリーダーたちよ」(2/3 ページ)
かつて沖縄県知事として日本政府や米国政府と何度も激しい議論を交わした大田昌秀氏。その大田氏が語るリーダーシップ論とは――。
二度と沖縄を戦場にさせない
実は、僕は戦場に出てから早く死にたいと思っていました。毎日のように、早く弾が当たって、殺してほしいということばかり考えていました。
なぜかというと、負傷しても看護師の人たちがいないのです。いや、たとえいたとしても看護してはいけないという命令が軍から出ていました。負傷者を見舞うよりも、日本が勝つために戦えと。負傷者に構わないで戦闘に参加しろと言われました。なので、戦場で負傷した人たちは、傷口などからウジがわき、悪臭が漂い、見るに堪えないほどのひどい有様でした。
だから、僕らは早く頭の上に弾が当たって、吹っ飛んだ方がいいと思っていました。「今日は弾が当たってくれるか、明日は弾が当たってくれるか」ということばかり考えていました。ところが、近くにいる人は弾が当たって死ぬけど、僕には弾が当たらない。同じ戦場にいて、すぐ隣同士にいるのに……。
そして戦争が終わりました。そのときに強く思ったのは、同じ学生たちがたくさん死んだおかげで、自分が生き残ることができたのだ、二度とこんなひどい戦争をやらせてはいけないと。自分がこれから生きる意味があるとすれば、二度と沖縄を戦場にさせない、攻撃の的にさせない、これを自分は一生かけてやらないといかんということを腹に決めたのです。
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