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「年俸固定、複数年」は是か非か プロ野球選手の契約事情:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
プロ野球選手の契約更改交渉が連日のように行われている。たいして活躍していないのにもかかわず、下がっていない「推定年俸」を見て、「もらい過ぎだろう」と思ったことがある人も多いのでは。下がっていない理由に、契約内容があるようで……。
複数年の変動性
巨人で打率と打点でチームトップをマークした主将の坂本勇人内野手が今オフの契約更改交渉に臨み、前年比3000万円増となる2億5000万円で一発サインした。目を引いたのは、球団側と新たに結んだ契約が複数年で変動性となっていたことだ。詳細は明らかにされていないが、球団関係者によると「契約期間中のシーズンごとに内容が見直され、成績が良ければ年俸アップで逆に悪ければダウンになる」という。
同じ複数年契約でも村田、内海のような年俸固定型と違って、そのシーズンの成績が契約更改交渉時の年俸に反映されるから坂本、球団の双方にとってメリットは大きいと言える。これは今後、日本プロ野球界において複数年契約の主流になっていくかもしれない。
巨人では2015年5月に就任したばかりの堤辰佳GM兼編成本部長が旧態依然とした球団の体質にメスを入れ始め、同じく今オフに新指揮官となった高橋由伸監督とともに現場とフロントが一体となって新しいジャイアンツの組織改革を進めている。現段階で明らかに「不良債権」となってしまっている村田と内海を蘇生させることができるのか。そして来オフは複数年契約が終了する両者に、どのような条件提示をするのか。とにかく見ものである。
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