フレームワークは、使用上の注意をよく守ってお使いください:3C分析(3/4 ページ)
マーケティングの難しさを口にする人の話を聞くと、分析・立案の際のフレームワークが誤用されている場合が多い。そこで、「間違いがちなフレームワークを総点検する」というシリーズを開始したいと考えた。第1回は「3C分析」だ。
(4)Companyは顧客ニーズと競合の動きにミートする強み・弱みを集中的に洗い出す!
前述の通り、自社の要素を挙げ出すと切りがない。そこで、前項までの流れで考えて「顧客のニーズ」と「競合がそのニーズをすくい取れているか(ニーズギャップはないか)」にフォーカスして考えるといい。顧客のニーズに応える能力がなければ、それは大きな「課題」だ。(場合によっては分析結果としてこの市場では上手くいかない、または競合に勝てないので、市場やターゲットを変更することになる)。また、競合が顧客のニーズをしっかりカバーしているなら、ガチンコ勝負か、他のニーズの切り口を見つけなければならない。競合がうまくニーズを取り込めておらず、顧客のニーズギャップがあって、そこにミートする自社の強みがあれば、それは大きな市場機会であるといえる。
【使用事例】
少し古いが、日経MJ11月23日号に中古車販売のガリバーインターナショナルの新業態店が取り上げられていた。これを分析の事例としてみよう。
同社は『10月31日、滋賀県守山市のショッピングセンター(SC)「ピエリ守山」に新業態の中古車店「ビークルポート」を開いた。ガリバーが展開する5つの専門店を月替わりで開き、商品だけでなく店舗の看板まで一新する(日経MJ11月23日号より)』という。
『ガリバーはこれまで幹線道路沿いなどの路面店を中心に店舗網を広げてきた。路面店では車の売買をすると決めた顧客の来店が中心だったが、中古車やクルマに興味がなかったり、購入の決意が固まっていなかったりする顧客とも接点を持つために目を付けたのがSCだった(同日・日経MJより)』。
記事には市場環境が書かれていないが、昨今の自動車販売台数の減少や消費者のクルマ離れなどを仮説として置けばいいだろう。また、顧客のニーズは市場環境の仮説と上記の記述から推測できる。競合環境も記述がないが、新車・中古車の別なく、多くの自動車販売会社が上記のガリバーと同様な悩みを抱えているのも想像に難くないので、それを仮説とする。
フレームワークとしては上記のようになる。フレームワークでは、フレームに情報を整理するだけでなく、「そこから何が言えるのか」が重要になるが、3CのゴールはKSFなので、そこがしっかりと「勝てる戦略の方向性」を示唆している内容になっていればOKだ。
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