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今後期待の省燃費技術は?:池田直渡「週刊モータージャーナル」 2016年新春特別編(2/5 ページ)
ここ数年の自動車業界を振り返れば、「省燃費技術の時代だった」ということになるだろう。そうした中にあって押さえておきたい自動車推進装置は3つに代表される。
このハイブリッドの最初のモデル、トヨタの初代プリウスが1997年に登場したときのキャッチコピーを覚えているだろうか? 鉄腕アトムとお茶の水博士をイメージキャラクターにして「21世紀に間に合いました」とぶち上げた。未来からやってきたハイテク技術。全く新しい自動車という商品コンセプトでハイブリッドは登場した。以来約20年そのイメージを踏襲し、信頼を構築するとともに急速に普及し、人気を博してきた。
実際ここ数年は車名別新車販売台数ランキングのトップ3は、プリウス、アクア、フィットのハイブリッド御三家の回り持ち状態だった。数百万円もする耐久消費財を購入するとなれば、そこに何かお金を払う価値を見出したいのは人情だろう。「未来のハイテク」というイメージは、その「ほしい気持ち」を満たすだけの商品力になった。だから売れたのである。
しかし、さすがに20年の時間の移ろいは、徐々にその神通力を弱めていく。もはや「ハイブリッド買ったんですって?」と聞かれるようなことはなくなった。一方でもっと簡便なマイルドハイブリッドシステムが開発され、軽自動車にも搭載されるようになってきた。つまりハイブリッドは安定して市民権を獲得した一方で、確実にコモディティ化が進んでいるのである。冒頭で述べた通り、ハイブリッドは日本の運転状況に適したシステムで、メリットは大きいが、商品性としての特別感は今後徐々に失われて、当たり前の存在になっていくだろう。
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