巨人・高橋由伸監督が過去2度に渡って直面した「悲哀な運命」:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
2016年のプロ野球で注目すべきことのひとつに、12球団で最年少指揮官となった巨人・高橋由伸監督の存在が挙げられる。40歳の若さで人気球団の現場トップとなるわけだが、半生を振り返ってみると、光だけでなく影の部分も見え隠れしてくる。
球団幹部は松井秀喜氏に未練
巨人幹部が早い段階から原前監督の後任筆頭候補に名前を挙げていたのは、有力OBで現ヤンキースGM特別アドバイザーの松井秀喜氏だった。しかしオファーをかけたものの、松井氏からは色よい返事がもらえなかったことから「原野球を継承してくれる人、新しい風を吹き込んでくれる人」をベースにもう1度選定作業を進めた結果、生え抜き選手としてスター性の高い高橋由伸の名前が急浮上。巨人の長い歴史上では前例がなかったことから兼任監督の線は見送られ「現役引退→専任指揮官就任」の流れを当人に促すことになった。
だが、高橋監督に無理矢理、大役を引き受けさせるようなシナリオを半ば強引に描いて成功したはずの今も球団幹部は松井氏に未練を残している。
昨年10月19日に行われた原前監督の退任会見で白石興二郎オーナーは報道陣から松井氏について聞かれると「もうしばらく、米国の野球に関わっていきたいと言っている。(ただし)巨人の扉は開いている」とコメント。松井氏が心変わりすれば、いつでも監督として受け入れる姿勢を示した。球団からの強い要請に対し「そこまで言うならば」と意を決して受諾したはずの高橋監督としては、あまりいい気持ちはしないだろう。まるで自分が松井氏の“つなぎ役”であると受け取れなくもない発言だからだ。
とはいえ、そんなてん末があっても、グッとこらえて野球人生をまい進する高橋由伸という男にはどうしても悲哀を感じずにはいられない。
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