今、ビックリマンブームが再燃している理由:一大ブームの仕掛け人たち(3/5 ページ)
2000年ごろに到来した2度目のブーム以降、販売が大きく低迷し続けていた「ビックリマンチョコ」。このままこのブランドが忘れ去られてしまうのではという危機感の中、打ち出したアイデアがいかにしてヒットにつながっていったのだろうか。
ロッテグループでタッグを組む
2014年に悪魔VS天使シリーズが30年目を迎え、プロモーションをするには大きなチャンスがやってきた。30周年をフックにして、新規ファンにとっても、魅力あるビックリマンブランドを作り上げていこうと考えた。
ロッテのグループ企業に目を向けてみたところ、ビックリマンをこよなく愛し、野球界でも絶大な人気を誇る、千葉ロッテマリーンズの里崎智也選手(当時)が思い浮かんだ。さっそくマリーンズに承認を得て、里崎選手に「ビックリマンPR大使」を務めてもらうこととなった。その狙いは、ビックリマンの大ファンである里崎選手がさまざまなところでビックリマンを話題にすることで、野球ファンにもビックリマンを知ってもらうことができると考えたからだ。実際、スポーツ新聞やWebニュースなどでビックリンマンのことが紹介され、その情報がしばしばソーシャルメディアなどで拡散された。
実は、これまでの企画を通して、ソーシャルメディアでいかに“バズらせる”か、が若者のファン獲得に有効なのではないかと考えるようになっていた。それを意識した企画の1つが、2014年にロッテグループのロッテリアとコラボした「ビックリマンシェーキ」である。
これは、ロッテリアのバニラシェーキの上にウエハースチョコをトッピングしたもので、購入者にはロッテリア限定の「ビックリマンシール」1枚をプレゼントした。キャンペーン期間中には、新宿、池袋、渋谷の3店舗では店内装飾をビックリマンシールでジャックした。
これが、「バニラシェーキとウエハースの組み合わせという違和感が面白い」「友だちと皆でビックリマンシールを集めて交換したよ」「ビックリマンシールのキャラってゆるキャラみたいでかわいい」などと、Twitterで大きな話題になった。あまりにも反響が大きく、同年10月9日から第2弾を発売したほどである。
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