トップの人が考える、モチベーションを上げる方法:銀座で学んだこと(3/3 ページ)
「モチベーションとは、命令や指示で生み出せないもの」――多くの経営者が同じようなことを話されています。これは、どういうことでしょうか。
「自分で仕事を選ぶ」という責任
IT会社社長のCさん(40代後半)は、「社員を絶対に怒らない」そうです。「怒らない」という姿勢を保つのは容易なことではありません。
「社員を怒るということは、結局はそのサポートをし切れなかった自分や役員の失態があるからで、部下が失敗してもそのサポートが完璧にこなせたら何の問題もないし、問題がなければ怒る必要はないよね」
お話を聞くところによると、Cさんの会社では、給料や仕事内容のほとんどが自己申告制なのだそうです。どうやら、ここに秘けつがあるようですが……。
「例えば、プロジェクトに携わる人間が10人いたとする。仕事の内容や役割を自分で選べて好きなようにできるし、押し付けられた感がないから社員は皆、自発的に取り組む。もちろん、失敗や間違いがあったら即座にサポートできるよう、私を含め役員は仕事内容を逐一チェックしているけどね。
『期待があるから怒る』とか『できると信頼していたのにできなかったから怒る』というのは、仕事を与えているからそうなるんだ。ウチの会社は仕事は与えるモノではなく、数ある中から自分で選ぶか、やりたいものがなければどこかから取ってくるという自発的なスタイル。社員の中で『仕事=自分でチョイス=責任の大小も自分が一番分かっている』という方程式が自然と成り立つから、大きなミスはこれまでほとんどないし、そういう怒りも本当にない」
とおっしゃいました。
確かに、与えられた仕事をこなすというのは受動的で、自分の好きな、やりたかった内容のものでなかったりもします。自分で選んで、能動的に仕事に取り組めれば、モチベーションも自然と上がることでしょう。
今回ご紹介した方々に共通しているのは「社員自身でモチベーションをあげてもらう」ことに注力されています。では、ご自身のモチベーション維持はどうされているのでしょうか。
「モチベーションというのは、仕事への意欲を起こす動機付けだ。だから、この役職に就いたときから、仕事への動機付けなんて考えているひまもないくらい、仕事にまい進して、社員を路頭に迷わせないことだけを考えてきた。それが、モチベーションをあげる唯一の考えかな」
と、おっしゃるCさん。今の役職に就いた瞬間から、継続的に会社を成長させていかなければいけない。そのためには石にぶつかろうが山にぶつかろうが、猪突猛進、前へ前へと進むのみ――なのだそうです。
桃谷優希氏のプロフィール:
1988年10月16日大阪府生まれ。16歳のときに処女作『デリンタ(悪魔の子)と呼ばれた天使たち』(文芸社)でデビュー。このほか『国民の声』(文藝書房)に寄稿、『罪追人』(文藝書房)がある。
京都ノートルダム女子大学卒業後、北新地のクラブへ。その後、銀座に移籍。銀座40周年の老舗「クラブセントポーリア」でナンバーワンの座を手にして、その後26歳の誕生日に某有名店のママに就任。2015年12月、銀座7丁目にクラブ「城」をオープン。
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