「SMAPは友情と打算の二重構造」と感じる、これだけの理由:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
日本中がザワザワした「SMAP解散騒動」がようやく落ち着こうとしている。一連の動きを振り返って、筆者の窪田氏が最も印象に残ったのは「情報戦」だという。その理由は……。
せっせと「中居おろし」ネタをリーク
当たり前の話だが、政治記者は国会に座って議論や法案をチェックしたり、首相や官房長官の周りでICレコーダーを差し出したりしているだけでは仕事にならない。派閥領袖(はばつりょうしゅう)など有力政治家の思惑を明らかにして「政局」を読み解くことができねばダメ記者の烙印を押されてしまう。
といっても、いくら記者といえど「政治家同士の会合」に立ち入ることはできないので、親しい政治家や高級官僚から会話の内容を又聞きをする。これが政治記事に登場する「関係者」だ。彼らからリークされたネタをもとにして政治報道というのは成り立っていると言っても過言ではない。
そういう構造なので、先の『女性セブン』のような報道がわりと頻繁にある。ご本人が言ってもいないことが、尾ひれが付いてあたかも事実のように流される。
例えば、史上最も短命だった宇野宗佑総理なんか分かりやすい。セックススキャンダルが発覚後、新聞に「辞意を表明した」「もう辞めたいとこぼした」という話がどんどんでてきた。ご本人がいくら「そんなアホな」「朝から同じことばかり釈明して疲れた」と全面否定をしても途切れることはなかった。
当時、1カ月先に参院選を控えていた。不人気総理を担いでも大敗を喫するのは目に見ている。そこで、選挙前になんとか自分から辞めると言い出すように仕向けるため党内の政治勢力が、政治記者へせっせっと「宇野おろし」ネタをリークしていたというのは誰でも分かる。
今回の解散騒動でもいちはやく、一部スポーツ紙を中心に、「関係者」の談話として中居くんが「とんでもない誤解をしていたことに気付いた」「すごく後悔している」(スポーツニッポン1月15日)なんて話やら「友人に後悔メールを送った」なんて報道がバンバン出た。
「後悔」という言葉は、「自身の過ちを認めた」というイメージをつくりだす。政治抗争における政治記者と芸能記者の役割がほぼ同じという事実からも、中居くんたち4人に自発的に謝罪させるよう仕向けるための勢力が、せっせと「中居おろし」ネタをリークしていた可能性は否めない。
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