NY市内を気軽に移動できるUberは、日本でも流行る?:新連載・NY在住ライターのスマートIT活用術(6/8 ページ)
NY在住フリーライターの公文紫都が、日々の生活でどうITを活用しているかご紹介する当連載。第一弾は、日本でも展開中のタクシー配車アプリ「Uber」を取り上げます。すでにイエローキャブより走行台数が多いともされる「Uber」が、ニューヨーカーに支持される理由と、日本でも同様に流行るかを考えていきます。
利用ニーズが高い時には、Uberの乗車料金は割高に
ただし、Uberの乗車料金がいつでも安いわけではありません。実はUberには、乗車料金が高くなるタイミングがあります。「雨の日」「金曜日の夕方」など、利用ニーズが高まるときです。
こうしたタイミングでは、「基本料金が、1.5〜3倍程度(さらに高くなることも)」になります(=サージ・プライシング)。写真の領収書は「1.8倍」の割増料金がかかった時のものです。
サージ・プライシングはいろいろと物議を醸しているようですが、私はUberのこの、「お金を払えば乗りたい人が乗れる」仕組みは、とても優れていると思います。日頃から「評価制度」によってサービスの質が担保されているので(といっても、Uberは常にあらゆる問題が事欠かないことでも有名ですが…。それについては、今回は触れません!)、多少値段が高くなっても、お金にゆとりのあるユーザーであれば、「より確実にサービスの良い車に乗車できる」Uberに流れていくのは、当然のことだと思うからです。
とは言ってもすべての人が、「お金で乗れる/乗れない問題」を解決したいわけではありません。私は、「できることなら安く済ませたい派」なので、さすがに「2.5倍」などの数値を見ると、頭がクラクラしてきて、Uberの利用をためらってしまいます。そんな時にさっと頭を切り替えて見るのが、他のタクシー配車アプリです。
類似サービスの「Lyft」(スマホで近くにいるLyftの登録ドライバーを探す&選択し、目的地まで乗せて行ってもらうという内容で始まった配車サービス。日本からは楽天が出資)や、タクシーの配車をしてくれる「Way2ride」「Arro」など。Way2rideやArroはUberやLyftとは違い、利用ニーズに関わらず、基本料金が変動しないところが魅力です。
それ以外にも、他の乗客と相乗りできる「Gett」や、前述したLyftが提供する「Lyft Line」、またUberの「UberPOOL」などの相乗りサービスを利用し、乗車料金を抑える手もあります。
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