NY市内を気軽に移動できるUberは、日本でも流行る?:新連載・NY在住ライターのスマートIT活用術(7/8 ページ)
NY在住フリーライターの公文紫都が、日々の生活でどうITを活用しているかご紹介する当連載。第一弾は、日本でも展開中のタクシー配車アプリ「Uber」を取り上げます。すでにイエローキャブより走行台数が多いともされる「Uber」が、ニューヨーカーに支持される理由と、日本でも同様に流行るかを考えていきます。
Uberは日本でも流行るか?
ここまで、Uberがニューヨーカーに受ける理由と、NYに住む私のUberや他のサービスの使い方を説明してきました。次に「Uberは日本でも流行るのか?」を考察していきたいと思います。
結論としては「流行る」と思います。ただし、NYとはタクシーを利用するユーザー層や環境が違うので、「NYとは多少形を変えて流行るだろう」というのが私の考えです。
まだ東京に住んでいた2014年に、数回Uberを利用したことがあり、非常に快適でした。高級感が漂う黒塗りのクルマが、自分が指定した場所に来てくれるというのは、やっぱり気持ちが良いものです。
しかし、NYよりもタクシーを捕まえやすい環境である上に、「Uberの最低料金が800円〜」と、都内のいわゆる一般的なタクシーとそこまで大差ない料金体系だと、積極的にUberを使わなければいけない理由が見つかりませんでした(送迎料がかからないのに、高級車が自分の指定場所まで来るという点では、大きな差なのかもしれませんが)。
また、もともとが礼儀正しい人が多い日本で「評価制度」がどれほどの意味を成すか、少々疑問が残るところもありました。
私は「主人が海外出張を多くこなすIT関係者」で、「自分自身もWebサービスに関心が高い」こともあり、割と早くからUberの存在を認識し、日本でも利用していたほうだと思いますが、もしそれらの条件がそろっていなかったら、使っていたか(そもそも知っていたか)疑問です。
同じように今、日本でUberを利用している人の多くは、まだ「アーリーアダプター層」ではないかと想像します。実際NYに来た日本人の知り合いのうち何名かは、「Uberの存在は知っていたけれど(または知らなかったので)、今まで使ったことがなく、今回NYで初めて使ってみたら、あまりに快適&想像より安くてビックリした」と言っていました。
やはり、よほどITに精通した人や、日頃からタクシーに何らかの不満を感じている(そしてそれが、Uberの仕組みやサービスによって解決されている)ような人でもない限り、まだUberは遠い存在なのかもしれません。
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