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テレビや新聞には、なぜ「文春砲」のようなスクープがないのかスピン経済の歩き方(5/5 ページ)

年明けから「文春砲」の勢いが止まらない。ベッキーとゲス川谷氏の「不倫」報道を皮切りに、甘利明大臣の「口利き疑惑」、宮崎謙介議員の「不倫」などが続いているが、筆者の窪田氏はある弊害を懸念している。それは……。

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 広告収入が激減している新聞やテレビでは数年前から、記者のリストラがすすめられているのは周知の事実だ。どうせクビを切るのなら、発想を転換して、記者はすべて非正規で歩合制にすればいい。

 ネタをとってきたら、年齢もキャリアも関係もなく評価され、報酬にもはねかえる。優秀な記者たちのモチベーションはあがる。みな生活がかかっているので、しょうもないコピペもやらないし、官僚の情報も鵜呑みにしない。社内政治や派閥にとらわれず、ガンガン活躍するフリー記者のなかから、本当の意味での「ジャーナリスト」も生まれる

 一方、「最近の新聞はダメだ」とふんぞりかえっている「元記者」の方たちは年収1500万とかではなくなるので、経営もスリム化される。報道機関としてまわすべきところにカネがまわる。

 いいことづくしのような気がするのだが、ダメでしょうか。まあダメでしょうねえ。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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