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テレビや新聞には、なぜ「文春砲」のようなスクープがないのか:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
年明けから「文春砲」の勢いが止まらない。ベッキーとゲス川谷氏の「不倫」報道を皮切りに、甘利明大臣の「口利き疑惑」、宮崎謙介議員の「不倫」などが続いているが、筆者の窪田氏はある弊害を懸念している。それは……。
報道機関は「週刊誌の後追い機関」
先日、国会で民主党が安倍首相に「報道機関が萎縮している」と迫った。確かに正しいことを言っているが、ひとつだけ大きな間違いがある。
民主党政権時代はもちろん、それ以前からずっと報道機関は萎縮しているのだ。
では、報道機関が「文春砲」のような「朝日砲」「読売砲」を炸裂するためにはどうすればいいのか。まず、記者クラブ制度を廃止することが望ましいが、これはGHQがつくった「日本型民主主義」の根幹をなす制度でもある以上、憲法改正並にハードルが高い。そうなると、残るは新聞社やテレビ局の「記者」たちのマインドセットを変えるしかない。
「文春砲」を支えているのは文藝春秋の社員ではなく、フリーランスの記者だ。彼らの姿を見て感じるのは、取材力もさることながら、社員記者のように安定していない分、ネタ1本でいくらという個人事業主的な意識が強いのだ。この「サラリーマン記者ではない」という猟犬的なマインドが文春クオリティをつくっているといっても過言ではない。
そこで提案だが、新聞もテレビもここらで思い切って、記者の非正規化に踏み切ったらどうだろう。
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