ブルーボトルコーヒー、この1年をすべて振り返る:水曜インタビュー劇場(カフェ公演)(3/7 ページ)
米国発のカフェ「ブルーボトルコーヒー」が、日本に上陸して1年が経った。オープン当初は行列ができていたが、なぜ多くの人は一杯のコーヒーを求めて何時間も並んだのか。同社の井川取締役に分析してもらったところ……。
コーヒーの味のように“苦い”思い出ばかり
土肥: 井川さんの話を聞いていると、綱渡りの状況だったわけですね。しかも、かなりフラフラ(笑)。
井川: はい、そうですね。いい意味で予想外のことしか起きませんでした。1カ月後には青山の店をオープンすることが決まっていたので、清澄白河の店がオープンした初日に、青山の店の工事が始まったんですよ。清澄白河の店で大変な状況だったのですが、その一方で「青山の店はどう? 工事は順調に進んでいる?」といったことを気にしながら、仕事をしていました。
土肥: なるほど、コーヒーの味のように“苦い”思い出ばかりだったのですね。ところで、本社は米国ですよね。コミュニケーションをどのようにとっていたのでしょうか。
井川: 本社との信頼関係を築きながらどれだけ仕事を任せてもらえるか。この点についても苦労しました。例えば、オープンしてから来店客数はものすごく多かったので、米国ではお祭り騒ぎだったわけですよ。「日本はスゴいことになっている!!」といった感じで。でも、清澄白河の店は駅から離れているので、雨が降ったり、雪が降ったりすると、どうしても客数が伸び悩むんですよね。そうすると、本社で働く人たちは慌てて「何が起きたんだ? どうしたんだ?」と連絡してくるんですよ。
日本と米国は時差があることは当然知っているのに、深夜であっても容赦なく電話がかかってきました。連絡があるたびに「今日は雨が降っていたから、お客さんの数が少なかったんです」「今日は雪が降ったから、売り上げが伸び悩んだんです」とひとつひとつ対応していました。しかも、こうした状況がしばらく続いたんですよね。
土肥: 深夜に頻繁に連絡があったら、さすがにカラダがもたない。どうされたのですか?
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