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ブルーボトルコーヒーは店の裏で何をしているのか水曜インタビュー劇場(カフェ公演)(4/5 ページ)

米国発の喫茶店「ブルーボトルコーヒー」が日本に上陸して、1年が経過した。カフェといえばテクノロジーの世界とはあまり縁がないように感じるが、実は……。

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新しい発見が毎日のようにある


清澄白河 ロースタリー&カフェの店内

土肥: でも、それって1年間営業してみないとなかなか分からないことですよね。しかも昨年はたくさんのお客が来たので、参考にならない数字も多いのでは?

井川: そうなんです。

土肥: 本社は米国ですが、そのデータを活用するのも難しいですよね。米国と日本とではお客の好みも違いますし、そもそも気候が違う。

井川: はい。本社の人間から「チョコレートクッキーは年中売れるから、日本でも積極的に売ったほうがいいよ」と勧められました。ただ、日本は蒸し暑い気候なので「苦戦するはず」と思っていました。実際、日本で販売していますが、米国ほどどの時期でも売れるものではなく、季節によって変動することが分かりました。

 また「米国と日本の店で同じレシピのモノを売っていこうよ」と勧められました。ですが、米国と日本の市場の違いをきちんと説明した上で「同じレシピで販売しても絶対に売れません」と反対しました。

土肥: ブルーボトルコーヒーはデータを活用しているということですが、米国のデータは活用できるものとできないものがあるわけですね。

井川: はい。米国の本社が持っているデータがすべて正しいわけではありません。もちろんすべて間違っているわけではありませんが、米国にはなくて、日本にはある。そんな新しい発見があるんですよね。だから、常に考えていかなければいけません。

 ただ、ここでも難しい問題があります。「日本人はこうした味を好むから」といった理由で、なんでもかんでも変えることが正しいわけではないと思っています。いろんな意味で「ブルーボトルコーヒーらしさ」を崩してはいけないと思っているので、その世界観を壊さない範囲の中で、展開することを常に意識しながら米国に発言しています。

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