ホワイトカラーも一流にする「トヨタの自工程完結」:ノッている会社は、ここまでやっている!(5/7 ページ)
日本を代表する企業「トヨタ自動車」が、2007年から社内で大きな「取り組み」を進めている。「ホワイトカラーの働き方」改革だ。どんなことをしているかというと……。
仕事はどう変わっていくのか
この取り組みで見えてくるのは、プロセスや手順に加え、判断基準や必要なものまで書かれた詳細なマニュアル。これがあれば、例えば担当者が変わったときにも、同じ仕事をするときに新しい担当者に引き継いでいくことができる。
まずは「目的・ゴール」「最終的なアウトプット」をはっきりさせた後、「プロセス/手順」を洗い出し、そのプロセスごとに「判断基準」と「必要なもの」を明確にする。そして、各プロセスで「これで良し」と自信を持って仕事を進め、アウトプットにつなげていく。これこそが、トヨタの新しい仕事の進め方、「自工程完結」だ。これによって、仕事はどう変わっていくのか。書籍で佐々木氏はメリットを掲げている。
- 部分最適がなくなる
- 上司が進ちょく確認できるタイミングを作れる
- 上下左右のコミュニケーションが深まる
- 各部署の固有の強みを最大限に生かせる
- 部門内の情報共有が進む
- 会議が減る
- 理不尽なところが見える
- 失敗が減り、妥協がなくなる
- 生産性が上がる
- モチベーションが上がる
これだけのメリットを実際に社内ですでに得てきたという。著書では、具体的な職場、仕事内容を挙げて、どのような課題感がある中で取り組みを進め、どのような結果を得ることができたのかが、詳細に記されている。
例えば、絶対に間違えられない膨大な量のつらい仕事を担っている部署があった。ここで行われたのは、仕事プロセスを分解するだけではなく、ストレスを感じているプロセスを洗い出すことだった。
そして、洗い出した20の業務プロセスごとに「◎:まったく問題なし」「○:ほぼ問題なし」「△:ちょっと不安あり」の3つの軸で評価していった。課題があるプロセスを「見える化」していったのだ。その上で要因を解析。業務プロセスは、その多くが改善された。
ほかにも、「やめられない仕事は本当にやめられないのか」を洗い出して、多くの業務改廃に成功した事例や、経験者しかできないと思われていた複雑な仕事が安心して引き継げるようになった事例などが紹介されている。
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