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リサイクルの「エンタメ化」がデロリアンを走らせた(5/8 ページ)

2015年10月、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で活躍したデロリアンが復活――。映画ファンのみならず、多くの人はこのニュースに驚いたのでは。ハリウッドとどんな交渉があったのか? 日本環境設計の岩元社長に話を聞いた。

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リサイクルインフラに参加し続けてもらう

岩元: まずは仕組み(リサイクルインフラ)を整えること、そうすればそれはバイオエタノールだけでなく、様々なニーズに応えることができるものになります。例えばリサイクル原料によるポリエステルの生産は、これから需要が高まります。地下資源(石油)の枯渇が叫ばれて久しいですが、それによって、争奪戦――それこそ戦争が起こっているわけですから。リサイクルインフラを整えることはビジネスを回すだけでなく、私たちが平和に暮らしていくことにもつながっていくんです。

永井: そういう視点に立てたのは、2007年に起業されるまで岩元さんが長く商社に勤めていたことと関係がありますか?

岩元: そうですね、繊維取引の傍らで大量の資源が廃棄されているのを目の当たりにしていました。その問題意識からリサイクルをどうやったらビジネスモデルとして構築できるのかに取り組み始めたんです。地下資源には年間6300億ドルくらいの投資がなされています。その投資を幾分か、10分の1でも「地上資源」に移せば、循環型社会は実現できるはずだと。

 視点は俯瞰(ふかん)して大きくもっておいて、小さなことからできることを証明していく。そしてそれを大きく表現する――そういう取り組みをずっと続けてきた、という感じですね。

永井: 仮説をもって、それを証明せよ。というのはよく言われることですが、大きく表現するというのはポイントですね。

岩元: はい。現時点では「繊維素材の原料に石油を用いないポリエステル」というのが、我々にとっての証明であり、最大の優位性なんですね。機能、性能はもちろん石油由来の商品と変わりません。では、消費者はどちらを選ぶと思いますか? 石油に頼った製品を売り続けることは、戦争に荷担することだ、と批判されることにもつながっていく時代がくるかもしれません。そういう大きいレベルで表現し、みなさんには選択してもらいたいんです。安く大量に作るというのは、誰でもできるのですから、同じモノをより良い意義のある方法で提供できるというのは企業のブランドにもつながっていくわけですから。

 共通化した回収ボックスは、将来の付加価値につながる企業姿勢の表明でもあるわけです。そして、我々のリサイクルインフラに参加し続けてもらう、やはり消費者や社会にアピールできるポイントでもあるのです。

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