オジさんはなぜ朝からビールを飲むのか 「24時間労働」のしわ寄せ:コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
コンビニに限らず、今や24時間営業はごく当たり前のこと。今回は24時間営業の働き方「3つのパターン」と、その課題を考えてみよう。
24時間営業が抱える問題
少子化が進み、多くの業界で「人手不足」が叫ばれている中、長時間労働が社会問題となっている。シフト制を分かりやすくするために先の説明で残業は考慮しなかったが、実際にはシフト制であっても残業はあるし、通常の固定時間の勤務においても15〜16時間働いている人も少なくないだろう。
過労死を招くような長時間労働の問題点は、24時間営業をベースにしたシフト制に根源があると筆者は思っている。そういう労働環境を守るのが労働組合の役割なのだが、筆者の経験上、労働組合が御用組合に甘んじている例も少なくない。逆に、権利ばかり主張している組合もある。
24時間営業が当たり前という便利な世の中になっているが、深夜の時間帯に働いている人たちには「帰りに一杯ひっかけて帰る」ような、小さなストレス発散の場所が少ない。24時間営業を選んだ企業は、この問題の解決策を考えるべきではないだろうか。
世の中の利便性や企業の都合だけではなく、経営者と労働者は、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)に重きを置いた働き方を、そろそろ真剣に考えなくてはならない時に差し掛かっていると筆者は思っている。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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