オジさんはなぜ朝からビールを飲むのか 「24時間労働」のしわ寄せ:コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)
コンビニに限らず、今や24時間営業はごく当たり前のこと。今回は24時間営業の働き方「3つのパターン」と、その課題を考えてみよう。
ニコイチ
「ニコイチ」――。この言葉は筆者が勝手に名付けたもので、シフト制を導入している職場の中には、2日分の勤務を一度に合わせた勤務体系もある。ポイントは日付をまたぐこと。そうすることで、一連の流れを勤怠上では2日としている。
この勤務形態の特徴は残業手当が発生しないこと。「労働基準法に抵触しないのか?」と思って調べたところ、どうやら法的にも認められた勤務形態のようだ。
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
・2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
第三十二条の三 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については……
(中略)
第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
(労働基準法第三十二条より一部抜粋)
上の勤務時間の画像を見ると1日の勤務時間は8時間を超えているが、平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えなければ問題ないということ。この勤務形態は長時間労働でハードだが、休みも長く取れるというメリットもあるので、体力のある一部の人にはウケているようだ。
ただし、ニコイチのすぐ後にシフトを入れられるととんでもないことになってしまう。ニコイチ勤務のあとは休みを設けているところが多いようだが、連続勤務の制限は必要だろう。
ちなみに、コンビニの深夜バイトをしている学生はバイトと学業である意味のニコイチである。深夜バイトの後はそのまま学校へ――なんてよくある話だ。
筆者がコンビニのオーナーだったころは、バイト募集時の面談でバイトと学業の両立についてよく話しあった。深夜バイトをしている多くの学生は、どちらかに支障をきたしているはず。深夜バイトは時給はいいが、よく考えてから応募したほうがいいと思う。
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