「そうか、そんな使い方があったのか」 コンビニの意外な利用法:コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
あらゆる商品やサービスにおいて、世の中には「想定外の使い方」をする人がいる。今回は、筆者の経験談も交えながら、コンビニの意外な利用方法を紹介しよう。
2.水道編
コンビニは、店の外に水栓を設置している。主に、暑い夏に水をまいたり窓を掃除するのに使っているのだが、実はコンビニの蛇口にはハンドルが付いていない。以前は普通の蛇口だったのだが、「水を持っていく人」があまりにも多くなってしまったため、取り外し可能なハンドルに変わったのだ。
「水を持っていく」とは、つまり水泥棒のこと。ずいぶん昔の話だが、クルマで来店したお客さんがいた。様子を見ていると、キャンプで使うような大きなタンクに水を入れていた。小さなペットボトルのようなその場で飲む程度なら見逃したのだが、タンクが何本もクルマに積んであったので、さすがにそれは止めてくれと注意した。
また、あるときは、犬の散歩の途中に犬を洗うつわものもいた。汚れたのなら家で洗えばいいのに、そんなに余計な水道代を払いたくないのだろうか。散歩の途中で冷たい水で洗われたのでは、犬もさぞかし迷惑だったことだろう。
「無料」ではない
電気や水道だけではない。コンビニコーヒーの砂糖やミルクも同様だ。
筆者は、かつてレストランの仕事をしたこともあるが、テーブルに設置してある調味料をすべて持っていかれたことがあった。確かに「ご自由にどうぞ」と書いてあるが、これはもちろんサービスの範囲内での話。このように非常識なことをされると、サービス業でありながら、サービスをする気持ちがなえてくる。
コーヒーの砂糖やミルクも、そのコストは代金に含まれている。度を過ぎた持ち出しが世間でまん延すれば、1杯100円のコンビニコーヒーが110円になる可能性も否めない。
タダだからといって常識を越えた行動を繰り返していると、いつかは自分のサイフにツケがまわってくるということに、そろそろ気付いてもらいたい。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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