日本で類を見ない“体感”とは? 「サンシャイン60展望台」がリニューアル開業:東京の空を飛び回れる(1/4 ページ)
かつて東洋一の高さを誇った東京・池袋の高層ビル「サンシャイン60」。その最上階にある展望台が1978年の開業以来初めてフルリニューアルした。そこには他の展望台では見られないユニークな仕掛けが散りばめられていた。
東京の上空に新たな観光スポットが誕生しようとしている。池袋にある「サンシャイン60展望台」だ。
「新たな?」と聞いて怪訝(けげん)に思った読者も多いはず。そう、サンシャイン60展望台は、1978年4月に高層ビル「サンシャイン60」が開業した当初から、その最上階である60階に存在している。実はこのたびリニューアルし、4月21日に「SKY CIRCUS(スカイサーカス) サンシャイン60展望台」としてオープンするのだ。その背景には、長期的な来場者低迷に歯止めをかけたいという、運営会社・サンシャインシティの強い思いがあった。
かつて東洋一の高さを誇った展望台も……
高さ約240メートルのサンシャイン60は、竣工当時は日本一、いや、東洋一高い建物だった。そこにある展望台として大きな話題を集め、開業後すぐに全国各地から「東洋一の眺望」を求めて人々が殺到、初年度の入場者数は260万人を超えた。
ところが、ブームもそう長くは続かなかった。当時の東京は建設ラッシュで、次々と高層ビルが建てられる中、1991年に竣工した新宿の東京都庁第一本庁舎が高さ243メートルで、サンシャイン60の記録を塗り替えた。サンシャイン60展望台もただ黙って指をくわえていたわけではなく、開業15周年にあたる1993年4月に日本初となる屋上開放型デッキ「スカイデッキ」をオープンして、再び来場者数の底上げを図った。
しかし、2000年代に突入すると、六本木ヒルズ森タワーや汐留シティセンターなどの高層ビルに加えて、超高層マンション(タワーマンション)も増えていき、もはや高いところからの眺望そのものが人々にとって珍しくはなくなってきた。さらに、2012年に開業した634メートルの東京スカイツリーによって、単純に高さだけを競い合うことは無に等しくなった。
そうした状況の中、サンシャイン60展望台の来場者数は右肩下がりを続け、ついには年間40万人にまで落ち込んだのである。「近年は人気アニメとコラボレーションした展示会を開くなど、さまざまな施策を打ったが、大幅な来場者増にはつながらなかった。そこで2012年ごろに開業以来初めてとなる展望台のフルリニューアルを決断した」と、サンシャインシティで経営企画部課長を務める稲垣正和氏は振り返る。
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