「人工流れ星」を流すことで、どんなことが分かってくるのか:水曜インタビュー劇場(流れ星公演)(4/5 ページ)
2018年、「人工流れ星」を流す計画がある。流れ星は上空60〜80キロメートルを飛ぶ予定だが、実現すればどんなことが分かってくるのか。企画をしているALEの岡島CEOに話を聞いた。
最初のころは、ぼんやりと考えていた
岡島: 最初のころは何から始めたらいいのかよく分からなかったので、研究者の人たちに「人工流れ星を流したいのですが……」と聞いて回りました。いきなり誰もやったことがないことを話せば、追い返されても仕方がないと思うのですが、運よく多くの人が興味を示してくださいました。なぜか。「自分も一度は流れ星をつくれないかなあと考えたことがある。でも、実現できなかった。もし岡島さんがそれを実現させようというのであれば、チカラを貸したい」という言葉をたくさんの人からいただきました。
土肥: で、何から始めたのでしょうか。
岡島: いつかは人工流れ星をつくりたいなあと、ぼんやりと考えていまして。そのためにはお金はいくらくらい必要かなあ、とりあえず事業計画書は書いたほうがいいかなあといったことを考えていました。
いくらかかるか全く想像できなかったので、「こういうのをつくりたいのですが、一体いくらくらいかかりますか?」と聞いて回るところからスタートしました。
土肥: ぼ、ぼんやりしてますね(苦笑)。開発費はいくらくらいかかりそうですか。
岡島: これまで材料費くらいで、それほどかかっていません。ただ、これからは人工衛星を設計したり、ロケットを打ち上げたりしなければいけないので……そうした費用を含めると1機打ち上げるのに、10億円くらいかかりそうですね。
土肥: 価格はどのくらいを予定していますか。
岡島: まだ決めていません。「流れ星の価格は1発○○万円」といったことは考えていなくて、たくさんの人にイベントに参加していただければと思っています。前回もお話しましたが、いまのところ特定の企業や個人をお客さんにするのではなく、多くの人に協力していただきたくさんの人に楽しんでいただけるイベントを実現したいですね。
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