「お客なんだからエラい」という錯覚が生まれるメカニズム:コンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)
先日、お客さんから罵声に関する話を聞いた。どうやら「客なんだから、カネを払う立場だからエラい」という意識が大きくなりすぎてのことらしいが……。そこで、今回は「お客さんはエラいのか?」ということについて考えてみたい。
コンビニ探偵! 調査報告書:
「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
先日、コンサルティングの現場で、お客さんから罵声に関する話を聞いた。「カスタマーハラスメント」と呼ばれるこの行為、多くはクレーム対応時に発生する。どうやら、「こっちはお客なんだから、カネを払う立場だからエラい」という意識が大きくなりすぎてのことらしいが、その内容が常軌を逸しているという。
そこで、今回は「お客さんは本当にエラいのか?」ということについて考えてみたいと思う。
「お金を払うからエラい」というわけではない
筆者がコンビニを運営していたとき、よく来てくれるお客さんがいた。ここでは割愛するが実は非常に面倒なクレーマーで、ほとほと手を焼いていた。シビレを切らした筆者はとうとう、伝家の宝刀「出入り禁止」を抜いた。
「うるせー、コッチは客なんだぞ。客に向かってそんなこと言っていいのかよ!」と怒鳴り散らして散々文句を言っていたが、商売とはいえ、こちらにも客を選ぶ権利はある。第一、そんな人がいたのでは他のお客さんにも迷惑だし、何より店の印象が悪くなる。
筆者にとっては、お客さんを1人失い、わずかな売り上げを逃したことになったが、そのクレーマーも自宅から遠い所へ買い物に行くハメになった。買い物ができずに困るということは、つまり、お金を払う立場に優位性があるわけではないということだ。
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