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「お客なんだからエラい」という錯覚が生まれるメカニズムコンビニ探偵! 調査報告書(2/4 ページ)

先日、お客さんから罵声に関する話を聞いた。どうやら「客なんだから、カネを払う立場だからエラい」という意識が大きくなりすぎてのことらしいが……。そこで、今回は「お客さんはエラいのか?」ということについて考えてみたい。

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客が持っている情報は2つだけ

 なぜ「客=エラい」という意識を持っている人がいるのだろうか。原因は「お客の情報量の少なさから生まれてくる感情」だと筆者は考えている。

 例えば、スーパーに買い物に行ったとき、店員から「今日は大根がお買い得だよ!」と聞いて思わず買ってしまった経験はないだろうか。このとき、あなたが持っていた情報は、貼ってある商品の価格と店員からの「お得だよ」というセリフのみ。

 しかし、店側には商品の原価や売価から得られる利益、大根はどれくらい鮮度を保てるのかなど、実はさまざまな情報がある。極端な話、その情報の中からお客さんの購買欲をあおる情報だけを提供すればいいのだ。

 大根などは鮮度が落ちれば簡単に見分けがつくのでさほど大きな問題は起こらないだろうが、かつての廃棄カツ横流し事件のように、安いモノにはそれなりの理由がある。賢明なお客さんなら疑問を感じるはずだ。「お買い得?」「なんで安いの?」「それ、大丈夫なの?」と。

 都合の良い情報だけを開示していると詐欺まがいなことが横行するため、現在では法律によって開示すべき情報が義務付けられている。それでも、店側が多くの情報を持っていることに変わりはないのだ。


(写真と本文は関係ありません)

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