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これぞ町工場の底力 廃業の危機を救った「おじいちゃんのノート」とは(1/4 ページ)
あることをきっかけに、たった数カ月で創業以来最高の売り上げを出した中村印刷所。一体何があったのか。当時のことや、これからのことを社長の中村さんから詳しく聞いた。
もう限界だった。廃業することも考えていた。まさか、その数カ月後に創業以来最高の売り上げを出すことになるとは――。
そう語るのは、東京・北区で印刷・製本業を営む中村印刷所の中村輝雄社長。いま、同社が開発した方眼ノートへの注文の電話が鳴り止まない。全国から注文が殺到しており、生産が追い付かない状況だ。注文をしてから商品を手に入れるまでに数カ月かかるという。
その方眼ノートは、多くの人の「あったらいいな」を実現した。ノートを開いたとき、中心部分の膨らみが書くときの邪魔になってしまうため、手で丸みを抑えたり、平らになるよう伸ばした経験は誰にでもあるだろう。同社の開発したノートは、中央が膨らむことなく“水平に開く”ことができるのだ。手で抑えたりするストレスがなく、1枚の方眼紙として使うこともできる。ノートのコピーやスキャンをするときに、中央が影で黒くなることもない。
1冊260円(税別)と決して安くはないが、学生を中心に高い人気を集めており、特に大学生協からの問い合わせが多いという。
実は同社、このノートが売れる前は経営状態が悪く、廃業することも考えていたという。そのような心境で迎えた2016年の正月、あることをきっかけに、たった数カ月で創業以来最高の売り上げを出すことになったのだ。
一体何があったのか。その奇跡はどのようにして起こったのか。そして今後は、どう展開していくのか。当時のことや、これからのことを中村さんから詳しく聞いた。
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