「会社選び」と「恋人選び」における本当の満足感:入社先企業への満足度85%超(1/3 ページ)
良い会社選びは簡単ではありません。入社後、会社員としてこれで良かったのか? と思うのはむしろ当然なくらい、それは難しいことなのです。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。
就活において誰もがぶつかる会社選び。しかし「良い会社選び」とは、簡単なものではありません。卒業して入社した後、会社員としてこれで良かったのか? と思うのはむしろ当然なくらい、それは難しいことなのです。
入社先企業への満足度85%超
就活がピークを迎えている時期だと思いますが、誰もが直面するのが会社選び。実際自分で満足できる会社の内定を得られる学生はどのくらいいるのでしょうか?
今の時期、キャリアカウンセリングを申し込んでくる就活中の学生の方からは「自分の進路が分からない(決められない)」、「どの会社が良いのか分からない」という相談が増えます。ところが学生どころか、この4月に入社したばかりの会社員一年生からも、こうした相談は珍しくないのです。
リクルートキャリアの調査『就職白書2016』によれば、この4月に入社した2016年卒就活学生の入社企業への満足度は、平均86.8%とのこと。満足度はこの3年じりじり上がっています。
満足といっても、「非常に満足」から「どちらかといえば満足」を足した数値なので、当然のごとくみんなが入社先企業に満足でハッピーという意味ではありません。また「不満」と答えた人も3.3%います。
こうした数値を見てどう考えるかは、キャリア決定においては重要な思考回路です。すう勢だけ見ればほとんどの人は満足なのだと受け取れますが、人間の心や気持ちを数値だけで判断するのは限りなく困難です。数値だけで納得できるなら、キャリアカウンセリングなど必要ありません。ましてキャリアは人生をかけて実現していくもの。
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