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「震災時、コンビニの営業は難しい」これだけの裏事情:コンビニ探偵! 調査報告書(3/5 ページ)
4月14日、熊本地震が発生した。しかし、その5日後に、大手コンビニチェーンの97%の店は営業を再開したという。このニュースを聞いて、多くの人は「それはよかった」と感じられたかもしれないが、筆者の川乃氏は違和感を覚えたという。なぜなら……。
“いつ店を再開できるのか分からない”という問題
不安+プレッシャー+恐怖を感じながらも、コンビニは店舗を開けなければいけない。多くの店には15日分(日用品など震災需要に対応できないモノも含む)ほどの在庫があるので、しばらくはその商品を売ることができる。しかし、震災時には、1〜2日ほどで在庫は底を尽きるだろう。
売れるモノがなくなれば、“いつ店を再開できるのか分からない”という問題がやってくる。道路が寸断されていたり、物流拠点が壊れてしまったりすると、店に商品が届かなくなるのだ。
コンビニが各地域でドミナント化を進めていくには、物流拠点が必要になる。弁当やおにぎりを製造する工場、お菓子や日用雑貨をメーカーから納入される倉庫。物流拠点が崩壊すると、これらの商品が届かなくなる。
震災で重大な被害を受けていない地域から運ぶことができるかもしれないが、道路状況がひどいことがある。渋滞でクルマがなかなか動かなくなってしまうと、生モノの場合は運んでいる途中に賞味期限が過ぎてしまうかもしれない。こうした問題があって、店に商品が届かないという状態に陥ってしまうのだ。
読者からは「そんなことは分かっているよ」とお叱りの言葉をいただきそうだが、商品が届かないという問題は、まだまだあるのだ。
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