飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析:水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(4/6 ページ)
飛行機に乗るとき「できれば早く乗りたい」という人もいれば、「できれば最後に乗りたい」という人もいる。搭乗口で最後に手続きを済ませているのはどのような人なのか。羽田空港で飛行機の遅延分析をされている、JALの担当者に話を聞いたところ……。
最後に乗るのはどんな人?
土肥: 飛行機を利用する側から言わせてもらうと、飛行機が遅れる原因のひとつに搭乗口付近で問題があると思うんですよ。航空会社の人は優先搭乗を案内されていますが、それでも関係のない人が割り込んでくることがありますよね。本来ならきちんと整列して自分の順番がきてから並ばなければいけないのに、もう列がいくつもできていてどこに並んでいいのか分からないケースがありますよね。
矢嵜: おっしゃる通りです。搭乗口で「順番通りに、きちんと並んで」いただかなければ、遅れが生じやすくなります。飛行機を定時に出発させるためには、お客さまの協力がなければ絶対に実現しません。
土肥: それにしても、どうして人は「早く乗ろう、早く乗ろう」と思うんでしょうね。逆に、アナウンスされても席から立とうとしない人もいます。「みんなが乗ってから、最後にオレが乗るんだ」といった雰囲気を漂わせている人が。
矢嵜: 搭乗口で最後に手続きを済ませるのはどんな人なのか。調査をしたんですよ。
土肥: ほー、それは興味深い。
矢嵜: 最後に搭乗された人を分析したところ、男女別でみると、男性7割、女性3割。年代別でみると、40代が最も多く35%強、次いで30代と50代が20%前後。全体的にビジネスパーソンが多いですね。
手荷物を預けているのかいないのかを調べたところ、預けている人が2割に対し、預けていない人が8割。ステイタス(会員)なのかどうかを調べたところ、ステイタスの人が3割に対し、一般の人が7割。ちなみに、ステイタスがある人のうち9割は、ラウンジを利用されています。
土肥: 多いですね。
矢嵜: 最後に乗られる人の3割弱は、ラウンジを利用されています。ステイタスがあるので優先搭乗で、「早く乗ってゆっくりしたい」という人もいらっしゃれば、「ラウンジでビールを飲んでくつろいで、ぎりぎりになって乗る」という人もいらっしゃる。
関連記事
- なぜJALの飛行機は“遅れにくい”のか 定時到着率1位の裏側
「飛行機=遅れる」といったイメージをもっている人も多いのでは。しかし、米国の企業が発表した「定時到着率ランキング」をみると、JALがトップ。JALは“遅れない”ためにどのようなことをしているのか。話を聞いたところ……。 - えっ、予定通りに飛んでいない? 機内で何をしているのか、パイロットに聞いてきた
晴れている日もあれば、雨の日もある。無風のこともあれば、風が強いこともある。さまざまな状況の中で、パイロットはどのような会話をしているのか。JALの機長に聞いてきた。 - 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。 - 累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由
これまで“絶対にはずせない”と思われてきたネジを、“絶対にはずす”工具「ネジザウルス」(運営:エンジニア)をご存じだろうか。工具は年間1万丁売れれば大ヒットと言われている中、ネジザウルスは累計260万丁も販売。消費者の心を“つかんだ”理由について、同社の高崎社長に聞いた。 - 眼鏡がいらなくなる? 世界初の「ピンホールコンタクトレンズ」にびっくり
近視や老眼をコンタクトレンズ1枚でカバーできる「ピンホールコンタクトレンズ」をご存じだろうか。現在、臨床研究を進めていて、2017年度中の商品化を目指しているという。どのような原理でできているかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.