飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析:水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(5/6 ページ)
飛行機に乗るとき「できれば早く乗りたい」という人もいれば、「できれば最後に乗りたい」という人もいる。搭乗口で最後に手続きを済ませているのはどのような人なのか。羽田空港で飛行機の遅延分析をされている、JALの担当者に話を聞いたところ……。
毎月、200人も乗り遅れる
土肥: 最後に乗るのは、働き盛りのビジネスパーソンが多いようですね。あと、手荷物を預けていない人が多いということは、頻繁に飛行機を利用しているのかもしれません。「羽田から大阪に日帰り出張」といった感じで。あと、乗り慣れている人はゆっくり搭乗する傾向があるのかもしれません。
矢嵜: ですね。
土肥: 乗り慣れていない人は不安な気持ち、子どもを連れている人は落ちつきたい気持ち、などがあって少しでも早く飛行機に乗りたいのかもしれません。
矢嵜: 伊丹空港を観察したことがあるのですが、搭乗開始30分ほど前から、優先搭乗ができる人たちがずらーっと並んでいるんですよ。
土肥: 早すぎるでしょ(笑)。
矢嵜: なぜ30分も前から並んでいるのか。伊丹空港のラウンジは狭いんですよね。満席状態のことが多いので、席に座るのが難しい。「ラウンジを利用したいのにできない。であれば早く飛行機に乗ろう」となって、30分ほど前から待たれているのでしょう。
毎月、遅延分析をしているのですが、羽田空港の場合、「いない人を探していたので遅れてしまった」というケースが圧倒的に多いんです。全体の6割に達しています。羽田空港は広くて、人も多くて、探すのがものすごく大変。結果的に、探し出すことができずに遅れるケースが多いですね。ちなみに、羽田空港でJALの国内線を利用されていて「乗り遅れた」という人は、月に200人くらいいるんですよ。
土肥: そ、そんなにいるんですか!?
矢嵜: 多いですよね。毎月200人ほどが乗り遅れるということは、もうJALだけで解決できない問題かもしれません。航空会社1社だけで解決するのではなく、空港全体で考えなければいけないのかもしれません。
土肥: 例えば?
関連記事
- なぜJALの飛行機は“遅れにくい”のか 定時到着率1位の裏側
「飛行機=遅れる」といったイメージをもっている人も多いのでは。しかし、米国の企業が発表した「定時到着率ランキング」をみると、JALがトップ。JALは“遅れない”ためにどのようなことをしているのか。話を聞いたところ……。 - えっ、予定通りに飛んでいない? 機内で何をしているのか、パイロットに聞いてきた
晴れている日もあれば、雨の日もある。無風のこともあれば、風が強いこともある。さまざまな状況の中で、パイロットはどのような会話をしているのか。JALの機長に聞いてきた。 - 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。 - 累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由
これまで“絶対にはずせない”と思われてきたネジを、“絶対にはずす”工具「ネジザウルス」(運営:エンジニア)をご存じだろうか。工具は年間1万丁売れれば大ヒットと言われている中、ネジザウルスは累計260万丁も販売。消費者の心を“つかんだ”理由について、同社の高崎社長に聞いた。 - 眼鏡がいらなくなる? 世界初の「ピンホールコンタクトレンズ」にびっくり
近視や老眼をコンタクトレンズ1枚でカバーできる「ピンホールコンタクトレンズ」をご存じだろうか。現在、臨床研究を進めていて、2017年度中の商品化を目指しているという。どのような原理でできているかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.