社員にプロジェクトを押しつけていた失敗から学んだこと:「よなよなエール」流 ガチンコ経営(4/6 ページ)
ヤッホーブルーイングはファンに対してだけでなく社員同士でもガチンコで物事に取り組んでいます。プロジェクトチーム作りもかつては悪戦苦闘の連続でした……。
プロジェクトメンバーの募集についてはうまくいきましたが、開始すると予想通り、次に心配していたことが勃発しました。スキルにばらつきがあるし、意見のとりまとめに慣れていないし、指名されたリーダーがいないので会議で物事が決まらない、という問題です。スキルの高いメンバーでやれば1時間で物事が決まる会議も、このプロジェクトでは毎回数時間をかけて会議しても何も決まらないのです。
当然、各メンバーも焦りの色が濃く出てきましたし、疲労感も大きいです。私がその都度決断すれば早いのですが、それでは今後組織が大きくなったときに機能しなくなるし、この取り組みで期待するメリットも十分に体感できません。私は議論が活性化するようなファシリテーターに徹し、我慢に我慢を重ねました。
プロジェクトメンバーを送り出した部門からも徐々に不満が出始めました。「メンバーが頻繁にプロジェクトを抜けるのでしわ寄せがきて忙しい」「意思決定に時間がかかり過ぎて、見ていて非効率だ」というような声です。
そのうちに「プロジェクト制反対!」という声も増えてきました。確かにその意見はもっともだし、しわ寄せがきているスタッフに対して本当に申し訳なく思いました。でも、この取り組みがなぜ大事なのか、これがうまく機能し始めるとどういう素晴らしいことが起きるのかという話を、不満を訴えてきたスタッフ一人一人に辛抱強く説明していきました。多くのスタッフが納得してくれませんでしたが、それでも頭を下げながら、もう少しプロジェクトを見守ってほしい、皆を忙しくさせてしまい本当に申し訳ない、と謝り、説得するしかありませんでした。
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