私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(1/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
「Launch Pad、第1位は……。カラーズ! 経沢さん! 来ました!」
2015年6月12日、インターネット業界の経営トップなどが一堂に会するカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS) 2015 Spring Miyazaki」において、Launch Padの優勝が発表された瞬間、私は手を口で覆い、そして飛び跳ね、歓喜のあまり、一目散に表彰台のステージまで走った。本当に信じられず、驚きでいっぱいだった。
Launch Padとは、スタートアップ企業が新サービスについて6分間でプレゼンテーションするというコンテストで、スタートアップの登竜門と呼ばれる真剣勝負の場である。過去には、ここでの優勝をきっかけに大型の出資が決まったり、一躍サービスの認知が広まったりという企業も少なくなかった。
実は、20代、30代の若手が中心の中、40代のしかも2度目の起業となる私が出場するということで、もし負けたら恥ずかしいと、躊躇(ちゅうちょ)する気持ちもあった。でも、プライドを守ったところで何も生まれないと、挑戦する道を選んだ。
それでも、最終プレゼン当日の舞台の上では、結果を残したくて積み重ねた必死の努力を隠したかったし、とにかく緊張しすぎて、今、動画を見ても自分の顔が引きつっているのがよく分かる。
そんな冒頭だったけれど、実際に最終選考のプレゼンを現地で見てくれた人、あるいは後に動画で見たという人は「本当に感動した」「泣きそうになった」と、私に対する気持ちが変わったとも言ってくれた。
「挑戦したその勇気に感動した」と、長くともに頑張ってきた友人経営者たちは、まるで自分のことのように目を赤くして喜んでくれた。エントリーして本当に良かったなと思った。
この優勝が私たちカラーズにとっても、そして私自身にとっても大きな転機となった。ではなぜLaunch Padに出場しようと決めたのだろうか。
関連記事
- 理想のベビーシッターサービスって何だろう?
「ベビーシッター文化を日本にも広めたい」――。やりたいことは明確に決まっているのだけど、そのイメージを具体的なサービスに落とし込むのは並大抵ではない。私たちのサービスはどのようにして生まれたのだろうか。 - 再び自宅で起業、2回目の挑戦だからこそのこだわりとは?
2度目の起業を決めた私は、同じ思いを共有できる創業メンバーの募集を始めた。そこで思ってもみなかったことが次々と起きたのだ。 - 自ら上場させた会社を辞め、2度目の起業を決意するまで
26歳で初めて創業した会社のビジネスが軌道に乗り、30歳で結婚し、3人の子どもの出産、そして上場。公私ともに順風満帆だった私を、ある日突然、悲劇が襲いました。「何とかするしかない!」。そう心に誓って、困難に立ち向かっていったわけですが……。 - 誰が、次のイーロン・マスクになれるのか
世の中には、先天的にきわめて高い能力を持っている天才児がいる。そんな子どもが、物理学と経営学を学び、1週間100時間のハードワークをこなし、「人類を救う」強い意志を持っていたら、どうなるか。イーロン・マスクになる。 - あなたの会社は? トヨタが踏み切る「配偶者手当の廃止・子ども手当4倍」
トヨタ自動車が配偶者手当を廃止し、子ども手当を4倍に引き上げることで労組と大筋合意したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.